対象:住宅設計・構造
本田 明
工務店
6
大量生産か、一品生産か、
- (
- 3.0
- )
住宅とは、業界内ではクレーム産業と呼ばれるありますことがあります。
大量のものを安定的に供給し、
かつ誰が作ってもそこそこの安定した品質が得られるにはどうしたら良いか、
という、ハウスメーカーの根本的命題にまじめに取り組んだ結果が、
おっしゃるような、セールストークとなるのです。
ハウスメーカーにとって住宅は「商品」であり、商品に欠陥があってはならないのです。
しかし一方で、
住宅は、お客様と設計者や工務店とがみんなで協力して、
「一つ一つ造るもの」だという考え方もあります。
木は、曲がったり反ったり縮んだりするものです。
そのそれぞれの木を、うまく組み合わせて、昔の大工さんは、建物を組み上げて行きました。
そこまで行くと、現代建築生産からすると少しかけ離れるかもしれませんが、
それに近いことは、今多くの工務店や設計者の方が考えておられると思います。
私の会社の紹介の文章に、以下のような文章を付けています。
父は、木こりから小さな材木商・工務店に、私も木にはこだわりながら建築に携わっています。
私は、現代のそしてお客様の、生活パターンが必要とする居住のための機能と性能を、
十分に評価配慮した上で、基本的には、
木(桧や杉等、合板は最小限に)と、
土(じゅらく土やプラスター)と、
焼き物(瓦やタイル)と、
紙や草(障子紙や畳)と
で、建物を構成していきたい。
自然と共に生きてきた素材が、ヒトという生き物の器として最良であり、
かつ、それが総合的には環境への負荷も最小に止められるはず。
そして、目標とされた性能を保持した上で、
**自然の素材が元々持っている、品質や見えがかりのばらつきを、
**風合い風情として許容できる方と共に一つづつ仕事に取り組みたい。
補足
質問のような思いを持っておられるのなら、
「自然素材」「木」「木の家」「住宅」などをキーワードに
設計者や工務店をお探しになれば、
お近くでも沢山あるのではないかと思います。
ただ、自然、環境、木などは、
今、建築のセールストークとしても多く掲げられ、
「ナンチャッテ自然派住宅の家」も沢山ありますので
よくネットで中味を吟味されてから、直接ご相談された方が良いと思います。
素人の方でも、少し時間さえかけてホームページを見れば
「ナンチャッテ自然派住宅の家」はわかるはずです。
「商品」と「一つ一つ造るもの」は、基本的には優劣があるものではなく
基本的性能を満たすという前提の上で
住宅に、
TVなどの電化製品のような「一分の隙もない機能・性能」を求められるか、
それとも、
陶芸の茶碗のような「味わい」を求められるか、の違いだと思います。
評価・お礼
ガリレオ さん
ご回答、ありがとうございました。
本田さんのおっしゃる様に、「ナンチャッテ自然派住宅の家」がすごく多い様な気がします。表面だけ自然素材を使っても本質的なところが見えない、そんな気がします。
(現在のポイント:6pt)
この回答の相談
はじめまして、最近、家づくりの勉強中なのですが、ひとつお聞かせ下さい。
ハウスメーカーでは最近は殆ど集成材が使われ、金物で接合されているようです。私は、自然保護の観点からも、日… [続きを読む]
ガリレオさん (埼玉県/43歳/男性)
このQ&Aの回答
このQ&Aに類似したQ&A