対象:住宅設計・構造
法改正の必要がありますね
来年も週二回、建築士受験学校で講師としてお世話になることになり、同じ疑問を生徒さんたちからよく聞かれるのでこの場をお借りしてお答えします。
日本は戦後、焼け野原を復興させるため軽微な建設工事を一般の方にも出来るよう基準を決めた名残が今だに残っているのが問題となっています。
建設業法の第三条で建設業許可基準が記されています。
ただし書きに
1.「工事1件の請負金額の額が建築一式工事にあっては1,500万円に満たない工事」
2.「延べ面積が150?に満たない木造住宅工事」
3.「建築一式工事以外の建設工事にあっては500万円に満たない工事」
は許可がいらないというものです。
知識も技術もない悪徳リフォーム業者は特に3に目をつけ、500万以下の工事を合法的に請け負っていました。
また金額がオーバーする場合、500万以下の請求書を数枚に分ける手口を使ってました。
認知症の高齢者姉妹を狙ったリフォーム詐欺も、近隣の方が「おばあちゃん家に工事トラックが出入りしておかしい」との通報で明るみに出たようです。
認知症や知的障害者のような弱者が狙われないよう成年後見制度が健全化されることも望まれます。
我々建築士のモラルも大切でこれから建築士を目指す生徒さん達にも重要性を伝えてまいります。
先日、改正建築士法が参院本会議で可決・成立しました。(施行は2年後の見込み)
・「構造設計一級建築士」
高さ20m以上 5年以上実務必要で講習後、国認定
・「設備設計一級建築士」
3階建て以上、床面積5千?以上
5年以上実務必要で講習後、国認定
・すべての建築士が3-5年毎に講習を受けること
売主に対しても保険加入を義務付ける法案は来年提出されます。
法はあくまで制度なので、悪用されないよう我々一人ひとりが情報・知識を持って、お互いを助け合う精神を持ち続けたいと思います。
回答専門家
- 齋藤 進一
- ( 埼玉県 / 建築家 )
- やすらぎ介護福祉設計 代表
子育て住宅から高齢者・障がい・車椅子住宅までやすらぎの空間を
医者に外科・内科等があるように、建築士に介護福祉専門家がいてもいいと思いませんか?人生100年時代を迎えた今、子育て住宅から高齢者・障がい・車椅子住宅など終の棲家まで、ライフステージを考えた安心して暮らせる機能的な住まいを一緒に創りましょう
(現在のポイント:1pt)
この回答の相談
欠陥住宅など何年も前から問題になり報道されています。また最近は、リフォームに関する詐欺事件も多いようです。このように、建築業界で手抜き工事や詐欺行為がなくならないのは、どうしてでしょうか?
※この質問は、ユーザーの方から事前にいただいたものを、専門家プロファイル が編集して掲載しています。
All About ProFileさん
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