対象:経営コンサルティング

長坂 有浩
経営コンサルタント
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「投資家がどこにお金を入れているか」です。
すごくシンプルに言います。
一般的に、VCは投資家からお金を集めて企業に投資をします。株主名簿には、あくまでも「投資主体」の名前が掲載されます。VCの名前が出るということは、投資家がVCに直接お金を入れたということになります。
例えば、VCに直接投資家がお金を入れるとどうなるでしょうか。
2つの課題が出てきます。
一つは、VCの経営権の問題です。その投資家はVCの株主になります。株主になるということは、経営に口を出すことができるということ。
VCからしたら、投資した企業のパフォーマンスに対して口を出すのはスポンサーとして当然としても、VCの経営自体に口を出されてはたまりません。
だから、「投資事業組合」という器に投資をしてもらって、そこから企業に投資をしてもらうのです。
もう一つは、換金の問題。
VCに直接お金を入れた場合、投資家がリターンを得るためにはそのVCの株式を売却しなくてはなりません。VCが上場会社ならまだしも、VCが未上場会社の場合は売却するのも大変です。
また、投資家は自分がお金を入れたVCが企業に投資をして、その企業がIPOをする等でリターンを得ることがお金を入れる目的です。VCに直接投資をした場合、VC全体の収益がリターンの対象となり、必ずしも投資した企業のリターンを得ることができなくなる場合がでてきます。例えば、VCが大量に人を採用してしまったら投資企業に無関係な費用(人件費)が収益を圧迫してしまいます。
従って、「期間」を決めて期間満了になったら換金をしてもらうために「投資事業組合」を作るのです。
ごくたまに、VCの名前で投資をしている場合があります。その場合はVC自体が利益を上げるために投資をするか、銀行等の親会社がスポンサーだったりします。業界的には「プロパー投資」と言われています。最近は少なくなっているように思います。
仕組みについては、下記をご参考にしてください(出所:ジャフコ)
http://www.jafco.co.jp/vc/60.html
(現在のポイント:-pt)
この回答の相談
株式公開指向企業へVCが投資する場合、VCそのものが投資しないで投資事業組合経由で投資するのはなぜでしょうか。推測でもかまいません。参考にしたいです。
ポプラさん (埼玉県/33歳/男性)
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