対象:ペットの医療・健康
Re:犬の前庭疾患
2015/01/13 17:34
症状として斜頸、眼振、嘔吐、運動失調が認められることから、前庭疾患の可能性が疑われます。
前庭疾患には、中耳炎を原因や特発性に起こる末梢性前庭疾患と脳梗塞、脳腫瘍、髄膜脳炎などを原因とする中枢性前庭疾患があります。
今回は仰向けになったさいに垂直眼振することからも、かかりつけの病院で診断されているように中枢性前庭疾患が疑われます。
たしかに脳梗塞の症状は初期対応が適切であれば、2,3週間で徐々に改善するといわれています。
髄膜脳炎の場合、感染性、免疫介在性とわかれ、免疫介在性の肉芽腫性髄膜脳脊髄炎や壊死性脳炎などは症状が急激に悪化することがあるので注意が必要です。
脳腫瘍では放射線治療や外科手術が原因療法としてあるが、外科的に切除することが困難な場合が多く、脳圧降下剤や抗てんかん薬、ステロイド剤を使う対症療法のみ行われることも多いです。
中枢性前庭疾患が疑われますが、原因が脳梗塞でない場合、神経症状が悪化する危険性がありますので、頭部MRI撮影、脳脊髄液検査を行うことで、診断をつけ、症状に見合った治療を行っていくことをおすすめいたします。
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