対象:リフォーム・増改築
上村 美智夫
建築家
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トップライトの活用方法について
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はじめまして、PAO建築設計の上村です。
中央に位置する、北側の外壁面に窓のない、東西に細長い約7帖の部屋の両側に、共に北面に窓のある、4.5帖(西側)と、2.5帖(東側)の部屋が設けられているように理解しました。
この両側の部屋は、共に窓がありますので、明るさはある程度確保されているように思われます。しかし、換気の為にも、西側なり、東側にもう一つずつ窓がある方が良いとは思います。(それは恐らく無理なのではないかと思われますが)
中央の約7帖の部屋がこのままでは、最も暗くなります。この部分をどのように使うのかは不明ですが、トップライトを取り付けるのであれば、この約7帖の部屋の最も天井の高い部分に、東西に細長いトップライトを、間隔を空けて、2カ所取り付けることで、この部屋の南側壁面全体にまんべんなく光を当て、その反射光を室内全体に行き渡らせる方法が良いのでなないかと思いました。この為には、南側の高さが3mある壁面は、光をより反射・拡散するように、白色系の色が良いと思います。
そして、3室全体の通風・換気用に中央の約7帖の部屋の北面の壁に、地窓(床から高さが50~60cm程度の横長の窓)を設けることで、特に夏場の暑い季節には、北側の地面付近の涼しい空気を取り込むことが可能な場合も多くあります。
このことで、換気により室内環境を快適に保つ効果が期待できます。
換気の基本は、空気の流れに沿って、入り口と出口の2カ所の窓を意識して開ける事にあります。
この換気の際には、地窓と両側の部屋の窓を開く事になります。
又は、4.5帖、2.5帖のどちらか1方の窓を開く方が効果的であれば、住まい手の感じ方や季節・時間等で、そのように微調整をしてください。
更に、トップライトを開閉可能なタイプとすることができるなら、なお一層効果的です。
夏場の熱気は天井高さ3mの高い部分に自然に集まりますので、そのトップライトを開くことで、熱気が排出され、そのことで空気の流れが自然に生まれます。その際に北側の地窓を開いておくことで、冷気を呼び込みます。これは自然の原理を利用した、快適性を向上させるシステムで、パッシブソーラー等と呼ばれたりしています。
このトップライトは北側ということで、直射日光が当たらない事を想定しています。
トップライトは一般の窓の3倍の効果があると言われています。従いまして、直射日光が当たる場所では、室温が上昇し過ぎて、お勧めできません。
日射による室温上昇を抑えることに効果のある、遮熱タイプのLow-E複層ガラスを念の為使用すると効果が期待できます。また、冬季には室内の暖かさを外に逃がしにくくする効果もあり、省エネにもなります。
下記は参考になればと思い紹介しておきます。
・トップライト(電動開閉式、下部電動スクリーン取り付け、遮熱タイプLow-E複層ガラス)の使用事例
国分寺の家(PAO建築設計ホームページ)
http://www2.gol.com/users/paoarchi/asa_jirei-2.html
・Low-Eタイプの複層ガラスについて、詳しく紹介しています。
コラム/もっと詳しく知っていただくために/Low-Eガラスのしくみと効果(PAO建築設計ホームページ)
http://www2.gol.com/users/paoarchi/ecopoint/column_glass.html
画像の説明
トップライト(電動開閉式、下部電動スクリーン取り付け、遮熱タイプLow-E複層ガラス)の使用事例
以上、少しでも参考になれば幸いです。
評価・お礼
norihei さん
2014/06/15 23:45
早速のご返答ありがとうございます。
私の説明力不足で恐縮ですが、7帖の部屋の構成が4畳半と2畳半で成り立っており、2畳半部分が南に45cmほどずれている形です。
4畳半:北側に縦60cmのサッシ、南側が入り口、
2畳半:北側に高さ160cmのサッシ、南側はクローゼット、
東側:バリアフリー玄関です。部屋のすぐ外(北側)は外壁です。
いただいたご意見では、西側または東側にもう一箇所窓があるほうが良いとのことですが、東側にバリアフリーの玄関があります。この状態で、トップライトを採用しようと思っていますがいかがでしょうか。必要でしょうか?
上村 美智夫
2014/06/16 12:22
返信ありがとうございます。
北側の窓の幅寸法の記載がありませんが、想定で、4.5帖部分の窓:幅120cm×高60cm(腰窓)、2.5帖部分の窓:幅166cm×高180cm(床からの窓・掃き出し窓)と考えてみると、部屋全体で約7帖ですので、通常であれば採光、換気共、十分と考えてもよい内容と思います。しかし、今回のお尋ねのケースでは、更に、北側に別の建物等が接近して建っており、その外壁間の距離が45cm程度ということで、暗さを心配されているものと理解しました。
確かに大きな窓があっても、建物等が建て込んでいて、空きがなければその分暗くなります。この場合、今回計画の寝室の屋根の出寸法(外壁から屋根の先端までの水平距離=軒の出寸法)を小さくした方が、より光が窓から入る事になり、部屋は明るくなります。この軒の出寸法の工夫によっては、2カ所の窓のみでも程々の明るさにはなると思われますが、少し余裕を見て、今回のケースではトップライトを1ヵ所設置する方がより安心であろうと思われます。
位置は部屋全体で見た時の南側の壁の中心付近の上部が良いでしょう。
日中に部屋を暗くしたい時の為に、トップライトには光を遮るロールカーテン等があった方が良いと思います。また、トップライトを開閉式とすれば、快適性がよりアップする件は、先の回答で触れた事と同じです。
今回、東側にバリアフリーの玄関が設けられる事が分かりました。この方向からの換気のルートがあれば、更に良いと思います。玄関ドア及び玄関から寝室への入り口等の上部に、開閉可能な欄間を設けることで、玄関内から寝室の様子は見えない状態でも、玄関方向からの換気が可能となれば、わずかかも知れませんが快適性の向上につながる可能性は高いと思われます。
以上、少しでもお役に立てば幸いです。
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増改築を計画中です。北側に作る新たな洋寝室について(父親用)ですが、光が入りにくいことが予想されるため、天窓(トップライト)を取り付けようと考えています。
南北に天井の高さが(南)3m(北… [続きを読む]
noriheiさん (福岡県/40歳/女性)
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