対象:ペットの医療・健康
Re:肥大型心筋症の猫の予後について
猫の肥大型心筋症の生存期間は病態により大きく変わることがあります。運動をすると開口呼吸が見られること、レントゲン検査で肺野が白く写ること、後肢を引きずっていたという症状から考えると、肥大型心筋症から血栓ができて、その血栓がとんで血栓塞栓症を引き起こし、肺水腫を併発した可能性が考えられます。末期の病態という表現が当てはまるかは定かではありませんが、症状は重度です。今後も呼吸状態や後肢の動き、発熱など症状に注意する必要があります。
心臓病の食事管理ですが、肥満予防と、塩分制限が一般に推奨されます。心不全症状が出ているのであれば、負担をかけないためにも運動制限も勧められます。肥満により呼吸器に負担がかかる場合があるので適切な体重の維持管理が必要です。過剰な塩分は心臓に負担をかける恐れがあるため制限したほうが良いとされています。かかりつけの獣医師と良く相談して行うのが良いでしょう。
環境面に関してですが、温度は25℃前後、湿度は50〜60%が猫にとって過ごしやすいとされています。エアコン等を用いてそのような環境を作ってあげること、また猫が自分で過ごしやすい場所を選べるように、場所によって多少の温度の変化をつけてあげることも良いかと思います。
移動によるストレスの回避ですが移動用のペットケーッジにフェリウェイをスプレーしてから移動するとストレスの軽減になると思います。
心筋症の治療に関しては、一般的に質問文に書かれている薬が使用されることが多いです。血栓塞栓症の治療に関してはクリアクターという血栓溶解剤もあります。血栓ができてしまっても早期に再疎通を行えれば運動機能の保持に繋がる可能性があります。しかし、血栓塞栓症は再発率が高いため血栓防止剤による血栓形成予防は同時に行うほうが良いでしょう。
猫の心筋症はレントゲンや心臓の超音波検査で病態を確認します。循環器専門に検査・治療を行う獣医師もいますのでかかりつけもしくは近隣の動物病院に相談してみてはいかがでしょうか?
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