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荒木 悦二

荒木 悦二
建築家

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地震で固有振動数が低下

2012/12/03 15:37
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耐震診断・補強工事を手がける(有)トラスト・ホームの荒木と申します。

東日本大震災は、震度階級解説表で『耐震性の低い木造住宅は、傾くものや倒れるものが多くなる』とされる震度6強が、宮城(最大震度7)・福島・茨木・栃木の4県で記録されましたが、地震の規模の割には揺れによる被害は少ないと言われています。

その原因は、今回の揺れは木造住宅や中低層の建物に大きな被害を与えるキラーパルスと呼ばれる周期1~2秒の地震波が少なかったことが、筑波大学の境有紀教授により指摘されています。

私自身も昨年4月末~6月中に、地震保険支払いに係る被害認定業務で茨城と宮城に入りましたが、地盤要因と津波を除けば大きな建物被害が極めて少ないことに驚きました。


では、目立った被害がない建物にダメージはないのか?

日経ホームビルダー2011.8号」に震災前後の建物の耐震性に関する記事にありますので以下に概略を記します。
【インテグラル(つくば市)によると、茨城県内の住宅20棟のうち19棟で震災後に固有振動数の数値が低下した。  固有振動数の低下は、接合部の緩みなどによって建物剛性が低くなったことを意味する。  数値の大きく低下した住宅は、「外壁のひび割れ、基礎の破断など大きな被害を受けた」ものだけではなく、「外観や小屋裏も特に被害が認められない」ものもある。『目視だけでは、建物が受けたダメージを正確には把握できないことが分かった』(インテグラル代表柳澤泰男氏)】

固有振動数(Hz)と耐震性との相関関係については不明であり具体的にどの程度耐震性が低下したかは言及されていませんが、見た目で目立った被害がなくても構造的に相応のダメージを受けている建物は数多くあると思います。


首都圏の地震のなかでも比較的危険度が高いとされているのが「東京湾北部地震」「立川断層地震」といわれており、この地震による埼玉県内の最大震度は6強です。(直下型地震はキラーパルスを多く含む可能性が高いといわれております)
「平成19年度埼玉県地震被害想定調査」に市ごとの震度や被害予想等が記載されていますので、自宅所在地の状況を確認しておくことをお勧めします。

またご自宅が昭和56年以前の木造住宅でしたら、ほとんどの市に耐震診断と補強工事に対する助成制度がありますので、市役所に相談されることをお勧めいたします。

以上

埼玉県
木造住宅
工事
耐震
診断

評価・お礼

hyohyo さん

2012/12/03 16:07

ご回答ありがとうございました。
今住んでいる建物は昭和56年以降に作られたものなので一応は安心です。

震災の時もかなり揺れたので、いまのダメージ状態で震度6強がくると
どうなるか想像が付きません・・・
管理人へ確認してみます。

ありがとうございました。

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この回答の相談

震災後の建物の耐震性

人生・ライフスタイル 防災 2012/11/30 13:12

東日本大震災から、だいぶ経ちますがまだ頻繁に余震が続いています。
震災で結構ゆれた建物が多数あると思うのですが
それら建物は、震災でうけたダメージは蓄積していないのでしょうか?

関東で、大地震が起こると頻繁にマスコミが言っているので
気になっています。

hyohyoさん (埼玉県/30歳/男性)

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