対象:インプラント・歯科口腔外科
嚢胞の摘出は抜歯と同時に行う方が確実だと思います。
こんにちは。つくばオーラルケアクリニックの飯田です。
通常、顎骨内の嚢胞の治療方針としては、
1)嚢胞のみを摘出する。歯肉を切開し、顎骨の側面に摘出すべき嚢胞に見合ったサイズの穴を開けて摘出する。
2)原因歯を抜歯し、抜歯した穴を少し広げて嚢胞を摘出する。
3)開窓療法=嚢胞の壁の一部を取り払い、嚢胞内部の減圧を図り縮小するのを待つ。しばらく経って、小さくなったところで摘出する。
などが考えられますが、どの治療法を選択すべきかは、歯自体の状況、歯と嚢胞の位置関係、嚢胞(と思われる病変)のサイズや形状と血管などとの位置関係、その他の条件を加味して選択します。
今回は近くに動脈や神経がある部分なので、1)、3)は担当医としては選択しづらく、歯を残そうとする代償として、神経損傷による麻痺やしびれが出るリスクが高まります。また、原因歯の根っこ自体が傷んでいると、嚢胞が再発する可能性がございますし、手術自体の安全性や確実性を考慮すれば、通常は2)を選択するのではないでしょうか?
建前としては、「現時点では画像診断で嚢胞が疑われる」という状態であり、もしかしたら嚢胞以外の病変の可能性もあります。診断が確定されるのは、実際に摘出物を病理検査してからになります。従って安全かつ確実に摘出できる方法が好ましいのです。担当医とよく相談して治療を進めてください。お大事になさいませ。
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回答専門家
- 飯田 裕
- ( 茨城県 / 歯科医師 )
- つくばオーラルケアクリニック 開設管理者/院長
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インプラント治療では、患者さんの身体的負担を軽くするため、シンプルな治療法の採用、短時間でダメージの少ない手術を実践しています。完全予約制による丁寧な診療と、近隣医療機関との緊密な連携、充実した検査体制で安全性の高い医療を提供します。
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nikusenさん (北海道/43歳/男性)
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