対象:ペットの医療・健康
猫の心不全による動脈血栓塞栓症について
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はじめましてアレス動物病院の沖田と申します。
さて、重度の心不全から起こる動脈血栓塞栓症ですが、夜間救急診療で、よく搬送されてくる病気の一つです。
飼い主様は下半身不随という症状で気づかれることが多いのですが、心臓で作られた血栓が、後肢の動脈のように、末端の血管にまで詰まるという状況は、肺(心臓の次にある臓器)や肝臓、腎臓などさまざまな臓器にも血栓は詰まっている状況であり、血栓でどうこうというよりも、それだけ大量の血栓が出来るほど心不全が重度であるということが、命にかかわる問題なのかもしれません。
犬の心不全の場合、徐々に咳などが悪化していき、飼い主様の中でも心の準備が出来るのですが(それが良いことなのかはわかりませんが)、猫の心不全の場合、軽度、中度程度ではほとんど症状を示さず、本当の限界まで来て球に血栓という症状を迎えることが多いようです。
文献的には「この動脈血栓塞栓症を発症した猫は2/3が死亡し、残りの1/3においては1年生存することもある」という、厳しい表現が記載されています。
私も何度もこの症状の猫の治療に対面し、そして助けてあげられず、自分の力不足に腹立たしく思うことがたびたびあります。
本来治療としては、血栓を溶かす薬を使うのですが、確かに重度の貧血となると、血栓を溶かす薬によって、一気に全身での出血が止められなくなり、なお苦しめてしまう可能性があったのかと思います。
血栓を溶かす治療はやるのもリスク、やらないのもリスクというところだと思うのですが、おそらく診療された先生は血栓を溶かす薬を使わないほうが、まだ助かる可能性が僅差でもあると判断されたのだと思います。
貧血の度合いがわからないのでコメントしづらいですが、私も同じようなケースの場合は、血栓を溶かす薬を使わない路線を選んだかもしれません。
このような文章で飼い主様の心がいえるとも思えませんが、ご参考程度に考えていただければと思います。
評価・お礼
reyu88 さん
2010/11/29 18:47
お返事ありがとうございました。あの子が死んでしまってから 色々調べたら 血栓ができ詰まった時の疼痛の事とかを知り 胸が張り裂ける思いでした。病院に連れて行く時、半身不随なのに 首輪が外れるほど暴れました、そして私の手をおもっきり噛みました。私は痛いとも知らず苦しから噛んだのだと思いましたが苦しいのと疼痛があったんですね。11年でしたが私はもっと一緒に居たかったです。でもあの子の寿命だと そして家族皆で看取ってあげる事が出来た事を幸せだったと信じて あの子の想い出を大切にして行きたいと思います。先生のお言葉で救われました。
本当にありがとうございました。 感謝いたします。
回答専門家
- 沖田 将人
- ( 富山県 / 獣医 )
- アレス動物医療センター センター長
地域に密着したワンランク上のホームドクターを
アレス(Alles)とはドイツ語で「あらゆること」を意味します。インフォームドコンセントの充実、年中無休、CTスキャナ導入など動物たちの幸せにつながることなら、飼い主様のあらゆる要望にお応えしたい。そんな願いを込めて診療に取り組んでいます。
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この回答の相談
私の中でとても悔いがのこり どうしていいかわかりません。
死んでしまった現実は変わらないのはよくわかっています。
ただ 本当に助けてあげることが出来なかったのか。。。
夜2… [続きを読む]
reyu88さん (和歌山県/43歳/女性)
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