ワンクリック詐欺救済を騙る興信所に注意 - 消費者被害全般 - 専門家プロファイル

大岡 辰昇
代表
富山県
行政書士

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対象:消費者被害

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ワンクリック詐欺救済を騙る興信所に注意

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ワンクリック詐欺の被害救済を騙り、高額な請求をする手口が報告されています。相談や見積もりは無料だけど、調査のために数十万かかるという話です。

今のところ、こういった手口をやっているのは興信所(探偵)が運営しているサイトです。

ワンクリック詐欺被害は、興信所に相談しても何の意味もありません。

実例としては

個人情報が流れているので、時間が経ってから2次、3次被害として数百万の請求が来ることがあるので、弊社(興信所)で相手を調査して二度と請求が来ないように解決します。その調査費用として30~40万円くらいかかります。

というものです。

ハッキリ言って噴飯モノです。被害救済を騙る悪徳業者としか言いようがありません。

ワンクリック詐欺は、無視すればOKなだけです。請求画面が張り付いた場合は、多少PCの知識は要りますが、削除できるものなので、削除すればOKです。

ワンクリック詐欺の遭遇して、個人情報が漏れて2次被害に遭うなんてのは聞いたことがありません。一度払ってしまった場合に次々に請求が増える(カモとみなされて請求が続く)というのはありますが、それも払わなければいいだけです。

そもそも、ワンクリック詐欺への対処法は、

・払ってない場合は「無視すればいい」というのが唯一無二の解決法
・払ってしまった場合は相手の情報を元に「訴訟or被害届」

これしかありません。

こういう対処法しかないところに、興信所は一体何が出来るのでしょうか。

上記の実例の話を1つずつ潰していきましょう。

個人情報が流れている?

その1.個人情報が流れているという話

「ワンクリック詐欺に遭遇して焦って名前や住所を教えてしまった」というのはままある話です。しかし、それ(教えてしまった情報)が真実であるかどうかの確認は取られません。

ワンクリ詐欺の狙いは「お金を振り込ませること」であって「個人情報を取ること」ではありません。「個人情報を取られた」と焦って振り込ませることが狙いなので、個人情報はどうでもいいんです。訴訟にも使えませんし。(裁判しても負けるし、裁判するには詐欺側の情報出さないといけないし、そうしたら逮捕されるかもしれないので)

もちろん、個人情報は不用意に教えるものではないのですが、個人情報はワンクリック詐欺に関係なく、流れます

今のご時勢、個人情報の流出を100%防ぐのは不可能です。例えば電話帳や卒業アルバムなんかは個人情報の塊です。ワンクリ詐欺で相手に与えてしまった個人情報は、あまり気にしないことです。仮に悪用されるとしても、架空請求が送られてくる程度だと思ってください。

大事なのは、個人情報を流さないようにすることではなく、流れた個人情報を元にした不当請求(振り込め詐欺、オレオレ詐欺)に対して、どうやってひっかからないようにするか、です。ここが重要です。

数百万の請求?

その2.数百万の請求が来ることがある

この請求は、何の代金でしょう。

間違いなく、払う必要のない不当請求でしょう。

ワンクリ詐欺では、騙されてお金を払ってしまった場合、カモとみなされて次の請求が来ることはあります。

しかし、ワンクリ詐欺でお金を払ってない場合後から他の請求が来たという話は聞いたことがありません。(当事務所運営のアダルトサイト相談窓口では、ご相談いただいた全てのサイトにアクセスしていますが、これまでそのような請求は1つも来ていません。)

ですので、そのような請求はまず来ませんし、来たところで払う必要の全くないものです。振り込め詐欺の電話と同じレベルのものです。

相手を調査して請求が来ないようにする?

その3.相手を調査して二度と請求が来ないように解決します。その調査費用として30~40万円

電話勧誘の2次被害みたいな話です。(^^;

・上述のとおり、請求は来ません
・来たとしても、そもそも払う必要の無い請求だから無視すればいいだけ
・相手の何を調査するのか?
・調査したところで、その情報を何に使うのか
・どうやって二度と来ないようにするのか?

この辺の説明無しにお金を提示してきます。

要するに、「数百万の請求が来る」と脅して、何の代金か分からない「30~40万円」を払わせる悪徳商法です。これはもはや興信所ではなく、悪徳業者そのものです。

興信所は情報を調べることしかできない

その4.そもそも興信所は情報を調べるだけで、それ以上は何もできません

そもそも、興信所は法的な対処ができません。何もできません。

様々な手段で情報を色々取り寄せることはできるでしょう。しかし、それだけです。代理交渉のようなことは弁護士法に違反するので、代わりに何かをやってくれるところではありません。

法的な請求というと、実際にあるのは裁判所経由の支払督促や訴状です。

しかし、このような手段をすると、請求費用だけで数千円かかってしまいますし、不当請求なので100%負けるため、費用が無駄になってしまう可能性が高いので、詐欺師はこういった手段をやってきません。

ワンクリ詐欺師が請求するとしたら、費用のかからないメール等を使います。一昔前に架空請求の葉書が流行りましたが、今では切手代で赤字になってしまうくらいです(それが消滅の大きな理由)。なので、詐欺師側としては、請求に費用をかけるのはナンセンスです。

法的手段はそのコストの高さから、不当請求側としては割が合いません。(最低でも1件当たり数千円~。)よって、法的な措置をやってくることは無いと言っても過言ではありません。

確かに、「法的な数百万の請求が来るかもしれない」と言われれば、普通の人はびっくりします。が、そこが悪徳業者の狙いです。このやり方は、正にワンクリック詐欺と同じです。

びっくりするかもしれなせんが、よくよく考えてみると、おかしな話です。何も来ない(来たという事例も無い)のに、そうやって煽っているのです。そのような話は「振り込め詐欺の電話がかかってくるかもしれない」程度の話です。

まとめ

まとめると、

・興信所は情報を調べるだけ
・興信所は代理交渉ができないので、情報の流出があったとしても、それを止められません。また、情報の流出に対して、本人に代わって損害賠償等を請求することもできない。やりたければ、弁護士等に頼まなければいけません。
・何も実行できず、調べるだけしかできないのに、30~40万円。

というわけです。

ワンクリ詐欺業者は、自らの情報をなるべく隠そうとします。詐欺ですからね。その情報が調べられるなら、多少はメリットがあるかもしれません。詐欺業者の情報を警察に持っていけば、詐欺師逮捕に繋がるかもしれません。でも、興信所はそれをやってくれるところじゃありません。

警察ですら捕まえるのに困っているのに興信所がどこまでの情報を得られるのか、という疑問もあります。

個人的には、もし、これで30~40万円を払うようなことがあった場合、「個人情報が予想以上に早く流出しているので、それを遅らせるためにもう30万円必要だ」なんていう次の請求が来るんじゃないか、と思ったりしてます。そもそも被害救済の興信所の手口が、電話勧誘の2次被害の業者の手口と非常に似ていますからね。

このような被害救済を謳った興信所には、関わらない方がよいでしょう。

最後におまけ

このように悪質なニセ被害救済サイトは、NPO(特定非営利活動法人)を隠れ蓑にしている場合もあるのでご注意を。表向きはNPOだけど、実際には興信所が運営している場合もあります。

インターネット上には詐欺被害救済を謳ったサイトがたくさんありますが、相談する場合は、

・誰が運営者なのか
・法人の場合、役員は誰なのか
・どのような資格を持っているのか
・被害救済のために具体的にどのようなことをしてくれるのか

こういったところを確認してみるとよいでしょう。

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