ワンクリック詐欺とIP、そして対策が「無視」でよい理由 - 消費者被害全般 - 専門家プロファイル

大岡 辰昇
代表
富山県
行政書士

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対象:消費者被害

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ワンクリック詐欺とIP、そして対策が「無視」でよい理由

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IPアドレス。ワンクリック詐欺では、必ずと言っていいほど登録画面にIPが表示されます。このIPでもって「個人情報が調べられる」と思っている人が多いようです。確かに、IPから個人情報に辿り着くことは可能です。しかし、ワンクリ詐欺において、IPから個人情報に辿り着くことは、不可能と言っても過言ではありません。

IPアドレスとは何ぞや

IPアドレスとは、「123.123.123.123」のように4つのセクションからなる数字です。ワンクリに引っかかったことのある人は見たことがあるはずです。見たことがない人は、確認君診断くんを見てください。今の自分のIP(その他もろもろ)が見れます。

IPは、それぞれの接続業者(プロバイダ)が割り当てを持っています。そのプロバイダを通してインターネットに接続している人には、そのプロバイダが持っているIPのうちのどれかが振られます。

言い換えると、「IPはプロバイダの所有物で、ユーザーはそれを一時的に間借りしている」ということです。「一時的に、どれかが振られる」ということです。この振り分けは接続ごとに振られるものであり、端末に固有のIPが振られるのではありません。接続し直す度にIPは変わるのが普通です。一度回線を切断して、再度確認君でも見みると分かるでしょう。

(注:契約しているサービスによっては固定IPになっている場合もありますし、IPが変わると言っても「何月何日何時何分、どのIPを誰に振ったか」はプロバイダでログを取っているので、「繋ぎなおしたらIPが変わること」と「個人情報に辿り着けないこと」は別なんですが・・・「IPは変わるもの」と言うと安心する人がなぜか多いようです。)

プロバイダがどのIPをキープしているかは公表されていますから、調べれば分かります。ですので、IPからプロバイダは分かります。しかし、その個々のIPがどのユーザーに割り当てられているかは、プロバイダしか分かりません。外部からは分かりません。つまり「プロバイダが教えてくれない限り、分からない」のです。

ここで質問

さて、ワンクリ業者がプロバイダに問い合わせたところで、個人情報を教えてくれると思いますか?

答えは、「NO」です。

プロバイダは、警察からの照会でもない限り、個人情報を開示しません。爆破予告とか、そういうのは警察が入るので個人情報を開示してきますが、普通の業者からの請求程度では応じません。(もしそのようなことがあれば、「このプロバイダは個人情報を安易に開示する業者だ」となりますから、そのプロバイダは終わりですよね。)

つまり、ワンクリ詐欺でIPアドレスが知られたところで、個人情報には繋がらないわけです。

この点は、ワンクリ詐欺業者も重々承知しています。その上で、あのように驚かせるような表示を行っているのです。

まとめ

まとめると、

・ワンクリ業者がプロバイダに聞いたところで、個人情報を教えてくれるわけがない
・個人情報が分からなければ裁判沙汰にすることはできない
・仮に分かったとしても、裁判で争っても業者が負けるだけなので何もやってこない

ということから、ワンクリへの対策が「無視」となるわけです。

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