私が感じたのは、企業不祥事がとても多かったことです。不祥事が発覚してもなお、できるだけ余計なことは言わないでその場だけをしのごうとする態度が見えたりして、大変腹立たしく思うこともありました。原因の多くは隠蔽体質にあったように思います。
以前のコラムで“伝えるということ”について書いたことがありますが、最近の様子を見ていると、また改めて情報公開の大切さを感じます。
関連コラム:伝えるということ(1)−その重要性、伝えるということ(2)−難しさ
出てきた不祥事のそもそもの始まりは、現場の日常業務の中で起こったことが大半でした。始めは小さなことだったかもしれませんが、どんどんエスカレートして、気づいた時には今さら表に出せない状況になっていたということです。現場でもわかっていながら放置していたという面もあります。
情報をオープンにすると不正は発覚しやすくなりますから、誰に見られても問題ないように日々の業務に取り組まなければなりません。逆に日々の業務に誠実に取り組んでいれば、情報公開がしやすくなるとも言え、まさにニワトリと卵のようです。
企業の情報公開は経営者の資質や姿勢に大きく影響されるテーマですが、どちらが先ということでなく、現場でも日々の業務を誠実にこなし、問題は表に出していく姿勢で取り組んでいくことが必要だと思います。経営者の立場からは情報公開への意識を持ち、何かあっても表に出てくる雰囲気や仕組みを作り、社員を教育していく。経営と現場の両方の取り組みがあって、初めてオープンな風土の良い会社になっていくのだと思います。
次回の更新は年明けになります。皆様良いお年をお迎え下さい。
このコラムの執筆専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
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