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特許流通事業

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今日は弁理士会の知財流通・流動化検討委員会の第1回会合だった。


以前は知財の価値評価と一緒にやっていたような話だったが、また分離したらしい。


今回は最初ということで、諮問事項の説明があったが、もう一つクリアに理解できなかった。まだたたき台レベルなので、ツッコミどころが満載だったこともある。


私は特許流通アドバイザーとして、大学や企業の特許をライセンスする仕事をして来たが、そういうのは、従来、工業所有権情報・研修館(INPIT)がやってきていた。しかし、最近仕分けで自ら事業中止を申し出たそうだ。なので本来であればあと5年あるはずの特許流通事業が消滅したので、弁理士会としてもその後を受けて何かできればいいと思う。


ただ、特許流通をやってきた身としては、特許ライセンスだけで黒字化するのはかなり難しい。日本の大学で特許ライセンスで継続的な黒字を出しているところはほとんど無いのではなかろうか?おそらく10校は無いと思われる。


小規模大学でも、知財予算(特許出願、維持費用等)が3000万円程度、人件費を入れると少なくとも6000万円程度の予算は必要だ。それを純粋にライセンス料で稼ぐとすれば、実際にはその3倍の売り上げが必要になる。なぜなら、大学の先生の発明報奨金が3割程度、研究科にも同じ程度支払うので、大学(知財部)に入るのは最大でも売上の3割程度だからだ。


つまり、6000万円を稼ぐには2億円程度のライセンス収入を得る必要がある。これ以上稼いでいるのは、東北大と東大位しかない。昨年は東京農工大学が一時的に2億円位の特許売却収入があったらしいが、それまでは数千万円の低い方だったはずだし、来年度も2億円のライセンス収入が得られるとは思えない。


そういう意味では特許流通(ライセンス)事業で国内で黒字化するのは非常に難しい。


弁理士会でも特許流通に何等かの形で貢献できればいいが、それのみで収益をあげるには相当うまい仕組みを作る必要がありそうに思う。


世界的には特許ライセンス事業で収益をあげている企業もあるが、MRI技術で数百億円規模のライセンス料を得たり、規模が違う。日本からもそういう大発明が出て欲しいものだ。iPS細胞技術はそうなる可能性も秘めていると思われる。

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