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結婚にまつわる節税その4~「小規模宅地等の減額」(5)

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皆さん、こんにちは。

さて、5回に分けてお送りしてきました「小規模宅地等の減額」もいよいよ大詰めです。


前回までのコラムでこの特例の概略や内容についてお話してきましたので、今回は、実際の業務を通して、よく問題となるいくつかの項目についてお話したいと思います。


1)別居家族は一切適用不可能?

核家族が進む昨今、ご両親ともに健在ならば、父親と母親が同居し、子どもは別居・別生計で生活しているケースが多いのではないでしょうか?

「小規模宅地等の減額」を適用する条件としては、被相続人と相続人となる子どもが別居状態の場合には、A.被相続人に同居家族がいない、B.相続人が相続開始前の3年以内に持ち家を持ったことがない等の厳しい条件が課されます。

しかし、例外があるのです。

それはこういった例です。

マンション一棟を丸ごと被相続人が所有しており、その一室に相続人が居住している等の条件を満たせば、実質「別居状態」にも関わらず、その相続人は「同居家族」と見なされるのです。これは二世帯住宅の場合にも同じことが言えるのではないでしょうか?

ただし、同じマンション内に住んでいたとしても、被相続人がそのうちの数室を「区分所有」していて、その一室に相続人となる子どもが居住している場合には、子どもの居住部分に関しては「適用不可」となるので注意が必要です。


2)被相続人が自宅を離れ、老人ホームで暮らしていた場合は?

被相続人の中には、お亡くなりになるまでの数年間を、それまでお住まいだったご自宅を離れ、老人ホームやホスピタル等で暮らされる方も多いかと思います。

介護等の問題がなければ、当然、ご自宅で家族と一緒に暮らしていらっしゃった訳ですから、元来、お住まいの宅地には「小規模宅地等の減額」が適用されてもいいはずです。

しかしながら、一言で「老人ホーム」と言っても千差万別で、「終身利用」から、自宅への復帰を目的とした「リハビリ施設」まで様々です。

これに対しては、国税庁より文書が公表されています。その文書によれば、

1.介護などの事情により、やむを得ず老人ホーム等へ入所

2.いつでも住めるよう、自宅の建物を維持管理してある

3.他の人への賃貸や、他の目的での利用をしていない

4.入所した老人ホーム等が「終身利用」タイプではない

といった条件が揃うかどうかが、適用可能かどうかの判断基準となるようです。


3)同居か別居かの判断基準は?

被相続人が一人暮らしだったため、近くに持ち家のある子どもが、ほぼ被相続人の家で寝泊まりし、お亡くなりになるまで看病していたといった場合はどうでしょう?

「同居親族」と認められたならば、宅地にかかる相続税が8割減、「別居親族」ならば、一切宅地への減額なしなので、相続人にしてみれば大きな問題です。

この場合の同義の意義について、国税庁発表の文書では「相続開始直前において当該家屋で被相続人と共に起居していたものをいう」とされていますから、住民票がどこにあるかは問題なく、あくまでも「事実認定」の問題となります。

ですから、相続人となる子どもの日常生活の状況や、入居目的等を勘案して決める必要があるのです。

ただ、被相続人の家に泊まり込んで看病していたというだけでは、直ちに「同居」とは認めがたいという意見が多数を占めるようです。逆に、住民票だけ移しておけば「同居」ともなるかと言えば、これまた疑問符がつくところです。

「住民票」の存在もある程度は考慮されますが、実務上は、相続人の事実上の生活拠点が被相続人との「同居生活」であったことを、どのように証明できるかが勝負となります。

生活の形態が「適用条件」に当てはまらないからと言って諦めるのではなく、判断に迷った場合には、多数の実務経験を基づくデータを持つ、資産税専門税理士に一度相談されてみてはいかがでしょう。


これで、「結婚にまつわる節税」および「小規模宅地等の減額」特例に関するお話は一旦の終わりとなります。

また、改正があったり、ご質問等を頂くことがあれば、その都度、解説していきたいと思います。

ご精読、ありがとうございました。

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(東京都 / 税理士)
フジ相続税理士法人/株式会社フジ総合鑑定 税理士

不動産鑑定士と協働。不動産に強い相続専門の税理士です。

フジ相続税理士法人は、名前の通り「相続」に特化した専門事務所です。税理士だけでなく、不動産鑑定士・司法書士による相続・不動産問題の独立系コンサルティンググループですので、相続・不動産全般のお悩みに対応しています。どうぞお気軽にご相談下さい。

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