2013年税制改正においては、相続税の見直しによる急激な負担増を避けるため、また、個人の土地所有者の居住や事業の継続に配慮する観点から、「小規模宅地等の相続税の課税価格の計算の特例」について見直しが行われています。
(1)居住用宅地等の限度面積の拡充
居住用宅地等の評価に係る特例(土地の評価額を8割減額)の適用対象面積が、現行の240 ㎡から330㎡までの部分に拡充されます。
(2) 居住用宅地と事業用宅地の完全併用
現行では、「居住用」と「事業用」の土地がある場合、適用対象面積は、「居住用」と「事業用」を合わせて最大400㎡までとなっていましたが、それぞれの適用対象面積まで(「居住用」の330㎡((1)参照)と「事業用」の400㎡)の合計730㎡まで特例の適用が可能となります。
(3)居住用の対象とする要件の緩和
現行では、二世帯住宅は、玄関などが.別々で建物内部で行き来ができないような構造の場合、同居していたものとは認められませんでしたが、改正後は、内部で行き来ができるか否かにかかわらず、同居しているものとして特例の適用ができます。
老人ホームに入っていたことにより被相続人が居住しなくなった家屋の敷地は、下記の要件を満たせば、相続開始直前に被相続人が居住していたものとして、特例の適用ができます。
①被相続人に介護が必要なため入所したものであること
②貸付などの用途に供されていないこと
(1)、(2)の改正については、
2015年1月1日以後に相続・遺贈により取得する財産に係る相続税について、
(3)の改正については、
2014年1月1日以後に相続・遺贈により取得する財産に係る相続税について、
それぞれ適用することとされています.。
このコラムの執筆専門家
- 佐々木 保幸
- (京都府 / 税理士)
- 税理士法人 洛 代表
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