- 小松 俊明
- リクルーターズ株式会社 経営コンサルタント (専門/人材ビジネス)
- 東京都
- 経営コンサルタント
対象:仕事・職場
- 須貝 光一郎
- (ビジネスコーチ、経営者コーチ)
- 阿江 忠司
- (ビジネスコーチ)
皆さんは「始末書」(別名、顛末書という場合も)という言葉、聞いたことありますよね。えっ、書いたことあります?それは何かミスっちゃんったんですね、、、イタタ・・(笑)
それはさておき、始末書の「書き直しを拒否」したことを理由に解雇されたことを社員が訴えた事例があります。その裁判では、社会通念上、解雇を相当とする合理的な根拠がないため無効という判決を大阪地裁が2004年にし、社員が勝訴しています。この話、ポイントは何だと思いますか。
実は本件、憲法19条「良心の自由」と関係があります。つまり、始末書を書くことを強制されるということは、「良心の自由」を束縛しており、憲法違反だという判断です。ここのポイントは「会社が強制したこと」にあります。
始末書を書くことを命じることは会社の裁量で自由に行えます。方法としては、始末書とは何であるかを就業規則で規定し、それを社員に事前に通知していれば、始末書というもの自体は認めているというわけです。ただし、社員の中には「始末書を書きたくない」、もしくは「自分の納得のいかない内容を書くことはしたくない」(つまり書き直すことを強要されても)こともあるでしょう。労働裁判の判例は、始末書の「書き直しを拒否」したことで解雇したことは無効としましたので、このことから会社は始末書の取り扱いについて、かなり注意するようになったそうです。
子供のころ、学校や親に反省文を書かされたことを思い出しました。そういえば、自分の子供にも反省文を書かせたこともあります。そんなとき子供が「憲法19条」を持ちだして、「良心の自由を束縛されているから、僕は書く必要がない」と言い出したら、学校も親もびっくりするでしょうね、、
お酒を飲みすぎたり、何か忘れものをしてそれを奥さんにとがめられたとき、「良心の自由が束縛されている」と主張すれば、うまくその場をごまかせるか、、って、そんなわけないですよね、、
それにしても、まずは始末書なんて、大人になってから書かされることがないよう、気をつけることが先決です。始末書って響きがよくないので、とりあえず、反省しているかどうかは別にして、ことの顛末(事実)を本人に書かせるために、始末書ではなく顛末書(てんまつしょ)と呼んでる会社もあると言いますから、会社も苦労してます。
もし始末書を書かなければいけない事態になったとしたら、当事者の本人としては会社の上司と納得のいくまで話し合うことが大切だろうと思います。上で紹介した判例は、あくまでも会社と社員が大モメした事例ですから、できることならそうはならないよう、日頃から信頼関係を築けるよう努力したいものです。
キャリアの悩みをお持ちの方は、弊社がご提供するキャリアコーチングやキャリアメール相談をご活用頂くのも一つの方法ですので、ご参考までにお知らせします。
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