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平 仁
ABC税理士法人 税理士
東京都
税理士

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23年度税制改正大綱(7 成年扶養控除、配偶者控除)

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税制改正 平成23年度税制改正

所得控除については、平成22年度改正において、子ども手当支給に伴い、

若年扶養控除(15歳未満)が、高校実質無料化に伴い高校生年代の

特定扶養控除が、廃止され、平成23年分の所得税から適用されます。

今年は、これに加え、成年扶養控除(23~69歳)が廃止され、

配偶者控除については平成24年度改正以降の見直しとされました。

 

2.個人所得課税

(3)成年扶養控除の見直し

「本来、成年者は基本的に独立して生計を立てるべき存在であること等を

踏まえれば、成年者を担税力の面で配慮が必要な存在として一律に扶養控除

の対象に位置付ける必要性は乏しい」と考えられることから、

65~69歳の方、障がい者や要介護者、要介護者と同居を余儀なくされる者、

心身の状態により就労が困難と認められる者(限定あり)、勤労学生控除の

対象となる学生等、である特定成年扶養親族、

その年の合計所得金額が400万円以下である居住者の成年扶養親族

についてのみ、扶養控除(1人当たり38万円)が認めらることになりました。

 

・配偶者控除

「配偶者控除については、夫婦が生活の基本的単位である点を重視する

考え方等から、その見直しに慎重な意見もありますが、雇用機会均等の

理念から、制度が働き方の選択に対してできる限り中立的で公正なものに

なるように見直すべきではないか、また、配偶者の家事労働には納税者

本人にとっての経済的価値があり、配偶者の存在を担税力の減殺要因と

捉えることは必ずしも適当ではないのではないか、という見直しに

積極的な意見もあります。このような配偶者控除を巡る様々な議論、

課税単位の議論、社会経済状況の変化等を踏まえながら、配偶者控除に

ついては、平成24年度税制改正以降、抜本的に見直す方向で検討します。」

 

 

成年扶養控除の原則廃止については、「働かざる者、食うべからず」といった

教訓めいた発想が背後に見え隠れする。パラサイトシングルの状況を見て

いると、親がいつまでも生きて、子供の面倒を見てくれるという甘い願望が

見えますからね。しかし、もっと問題なのは、引きこもりの若者です。

今回の改正は、子供が働かなくても子供を養い続けられる方は、それなりの

所得を得ているであろうとして、負担軽減をさせませんよ、というもので、

引きこもった子供を抱える親の声が菅さんに届いているのか、疑問です。

精神的ケアの充実と労働環境の改善を伴った上での改正であればまだしも、

財源確保のために拙速に決めてしまったとの感が否めません。

 

配偶者控除の見直しについても、女性の社会進出を支えるインフラ整備が

遅れている状況での廃止は、改善ではなく改悪と言わざるを得ません。

小さい子供を抱えたお母さんが、仕事復帰するためには、待機児童を失くし、

早朝・夜間保育が可能な保育所を充実する以外に方法はないでしょうね。

それとも、地方出身者は親元に帰れとでも言うのでしょうか。

 

かつて女性税理士連盟が「配偶者控除なんかいらない」という本を書かれて

いましたが、配偶者控除がいわゆる103万円の壁を作り、女性の社会進出を

阻んできたことも事実です。しかし、社会復帰したくてもできない現状では

配偶者控除の必要性は失われていないと見るべきではないかと思います。

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