コミックデザイナーと呼ばれて（６）次のステップへ

これまで、広告マンガをはじめとするプロモーションや

ブランディングなど、マンガの活用に取り組んできまし

たが、その可能性はまだ他にもあると考えています。

そのニーズを引き出すこと、それがコミックデザイナー

としての大きな役割でもあるのです。

伝えること、理解すること、記憶すること、そして何より人の心を魅了する独特

の表現力が最大の魅力。ビジュアルと話し言葉の両面からインパクトを与えられる

マンガは、表現するテーマを多くの方々に分かりやすく、そして印象的なものと

して脳裏に刻み込むことのできる、いわば情報伝達の最強ツールです。

今後は新たなコミュニケーションツールとして、様々なシーンで活用させるだけ

でなく、脳内活性の学習ツールなど、考えるだけでもワクワクしてきます。

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そして、その先に見据えているのが、海外にいる学校に行けない子どもたちの支援。

きっかけは「世界を変えるデザイン」の編者シンシア・スミスの言葉でした。

「ほとんどの現代デザイナーの仕事は、世界の大多数の人には何の影響も与えない」

「世界のデザイナーの95％は、世界の10％を占める最も豊かな顧客向けの製品と

サービスの開発に全力を注いでいる」

「世界の人口65億人のうち、90％にあたる58億人は、私たちにとって当たり前の

製品やサービスに全くといっていいほど縁がない」

（世界を変えるデザイン／英治出版より）

本来、ビジネスやライフスタイルを豊かにするはずのデザインが、それを必要と

している人々に届いていないという事実を知りショックを受けました。

私の場合、工業デザイナーのように生活に役立つモノを提供することはできないかも

しれませんが、開発途上国などで「学校に行けない」「文字が読めない」子どもたち

に、学習のきっかけとなるようなマンガを提供できないかと考えています。

何年かかるかは分かりませんが、デザイナーの一人として、マンガ国の一人として、

世界の人々に貢献できたら、こんな素晴らしいことはありません。

コミックデザイナーと呼ばれて（1）誕生秘話

コミックデザイナーと呼ばれて（2）マンガのチカラ

コミックデザイナーと呼ばれて（3）マンガとデザイン

コミックデザイナーと呼ばれて（4）互いの役割

コミックデザイナーと呼ばれて（5）導入７割が効果実感

コミックデザイナーと呼ばれて（6）次のステップへ