そこでいつも感じるのは「自分が学生の頃よりみんな優秀」ということです。もちろん程度の差はあり、「これはちょっと・・・」という方も中にはいらっしゃいますが、総じて皆さんが真面目で、目的意識を持ち、将来の事をよく考え、いろいろな取り組みを前向きにしています。
自分のことを振り返ってみると、大学卒業の頃なんて大した事も考えておらず、将来に向けた目的意識や職業意識も、ほぼ皆無だったような気がします。今より子供の数が多かったので、ほぼ野放しという部分も多かったですし、今のように個別の手厚いサポートや様々な情報は得られない時代でしたから、仕方無い面もあったのかもしれませんが、今の方が平均的には確実に上ではないかと思います。自分だったら面倒くさい、別にいいや、と思っていたことに取り組んでいる方がたくさんいらっしゃり、感心させられることが良くあります。
そんな優秀な方々が、就職氷河期ということで、社会に出ることが難しくなってしまっています。社会的には大きな損失だと思います。
しいて今の学生さんのマイナス面を言えば、みんな平均化されて、個性的な要素は減っている気がします。かつては変わったアルバイト、変なサークル、先輩や後輩、友人との面白い付き合いなど、個性的なエピソードを聞くことがあったり、訓練されないまま面接に来るので、かえって人となりがわかる面白い話ができたりということがありましたが、そういう機会は少なくなりました。これも社会全体の流れですから仕方ないのかもしれませんが、自分なりにちょっとの個性を考えてみると良いように思います。
私のようにいいかげんな学生でも、今は無事に仕事ができるようになっています。それより確実に優秀な今の学生さんが、同じようにできない訳はありません。就職活動中の方は悲観せずに、是非頑張って頂きたいと思います。
年内はこのコラムで最後にさせていただきます。新年は1月11日に再開します。
では良いお年をお迎えください。
このコラムの執筆専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
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