さて、年の初めということで会社においても個人においても、今年一年についての抱負を述べたり、目標を立てたりしたという事が多いと思います。けじめをつけて新たな気持ちで取り組みをしていく上で、とても大事なことだと思います。
ただ、私の考えとしては、初めに設定した目標、特に結果目標についてはあまりこだわり過ぎるべきでないと思っています。結果目標とは、会社でいえば業績目標などになりますが、これは決して目標を軽く考えている訳ではなく、今のように先の結果を見通すことが難しい時代では、当初の目標にこだわりすぎると判断を誤ったり、対策が手遅れになったりする危険性が大きい、ということです。
以前ある方から伺ったお話では、今の時代を「選択の時代」、「オプションの時代」と述べられていましたが、それによると、現在のように状況の変化が激しくかつ複雑な時代では、過去の事例が必ずしも役に立ちづらいため、十分な情報を集めて多くの選択肢を用意することが行いづらく、結果としてその時々に手元にある情報の範囲で限られた選択肢、オプションの中で判断することを繰り返して行かなければならず、かつてのように中長期の計画を立て、それに基づいて年度計画を立て、その計画に基づいて事業を進めて行くという、初めに目標ありきという形を取る事が非常に難しくなっているということでした。計画や目標については常に見直しを行って行く柔軟性が必要である、とのことでした。
一度決めたことを変えるということは、どこか後ろめたい感覚を持ってしまいがちですし、「目標未達などというのは気迫が足りない」というような上司、経営者もいるでしょうが、このような時代だからあえて「目標にこだわりすぎない」という姿勢も必要ではないかと思います。
このコラムの執筆専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
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