技術者を探している元請企業から様々な案件情報が流れてくるのですが、そこには時々「勤怠が良好な人」という条件が付いています。ここで言っている「勤怠」とはほとんどが遅刻、突発や無断の休みを指しているようで、裏を返せばそんな条件をつけなければならないほど「きちんと会社に来られない」人が多いということのようです。
どこのIT企業に聞いても、多かれ少なかれ問題のある人を抱えていることが多いですし、「勤怠不良者をどう扱えばよいか」ということで相談されることもよくありますから、どうも他業界に比べると「勤怠不良者」が多いという印象で、IT業界特有の何かがあるように思います。
私が今まで見てきた印象では、新入社員や入社したての者は問題ないのに、時が経つほど徐々に崩れているように感じています。連日深夜になる長時間労働が翌日に影響する悪循環になっていったり、客先常駐が多くて管理者の目が届きづらいので徐々に時間にルーズになっていったり、他のメンバーに影響されて徐々に崩れて行ったり、そもそも夜型人間が多くてそれに合わせた仕事リズムになっていたり、ちょっと思いつくだけでも業界特有のいろいろな要因が思い浮かびます。もちろん元々本人が持っている資質もあるでしょうが、これらの要因を考えると、どうも職場での環境要因が多いように思います。
人間一度ルーズな癖が付いてしまうと、なかなか元に戻れないものです。要は「最初が肝心」ということで、そのためには職場全体の環境づくりが大事だということです。結局は当たり前のことを当たり前にやらせる、地味な取り組みの積み重ねではないかと思います。
「勤怠が良好な人」という条件をつけている一方で、「勤怠不良者」を作り出しているのは、実は自社の環境だったなどということにならないように、今一度自分たちの足元を見つめ直す必要があるように思います。
このコラムの執筆専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
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