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仲が良いから言いやすい? それとも言いにくい?

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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 私の思い・考え

 特に日米間では、首脳同士でお互いの親密ぶりがアピールされることがあります。さかのぼるとレーガン‐中曽根、ブッシュ‐小泉、最近ではトランプ‐安倍など、それぞれ個人的な信頼関係が結ばれていることで、両国間に良い影響があるとされます。

 

 この話には批判的な見方もあります。「近い関係になり過ぎると厳しいことが言いにくくなる」というものです。

 お互いの仲が良くて悪いことはないように思いますが、この点については、いろいろ考えてしまうところがあります。

 

 例えば、会社の上司部下の関係であったとして、お互いの信頼関係によって、言いやすいことと言いにくいことがあります。複雑な問題や難しい依頼などは、ある程度の信頼関係がある相手の方が言いやすいことはあるでしょう。

  一方、近い関係にもかかわらず相手に言いにくいのは、「相手の事情を理解、共感しているが、それに反する内容を伝えなければならないこと」が多いのではないでしょうか。「仲が良いから言いにくい」というのは、俗にいう苦言ということになるのでしょう。ただ、苦言を言えない程度の関係が、本当の意味で親密なのかは疑問ですし、実際には「仲が良いからこそ言える」という比率の方が、多いのではないかと思います。

 

 ビジネスの中で、力関係の強弱が明確な者同士が近づきすぎると、「無理な要望」「一方的な要求」「断れない」ということが起こります。ただ、いろいろ言ってもそれを受け入れるということは、結局は「それを受け入れた方が自分たちにも得」という判断でおこなわれることです。

 

 日米首脳の話に戻ると、過去に「個人的な信頼関係を結べた」といっていた時期が何度かありましたが、そういう時期の方が、アメリカから厳しい要求を出されることが多かったという話を聞きました。

 それを警戒して「仲良くなり過ぎてはいけない」といいますが、アメリカ側から見た場合、「仲が良いから言いやすい」と考えて、いろいろ持ちかけてきたと見ることもできます。もともとそういう戦略だったのかもしれません。

 さらに、それぞれの首脳が、退任後も親密に交流を続けたという話はあまり聞きませんから、立場に基づく仕事上の関係という側面が強く、本当の意味での「仲が良い」とは、少し違うドライな関係だったと思われます。

 

 「仲が良いから言いやすい」は本当に言葉のままであり、逆に「仲が良いから言いにくい」は、近づいてみたら思っていた関係とは違ったということで、それは後から見直せばよいことです。お互いの距離感を調整することですが、もともと遠い関係では調整の余地がありません。

 

 そう考えれば、初めはとりあえず仲良くなることから始めて、徐々にお互いの関係を作っていけばよいことです。まずは人間関係の距離を縮めてみないと、次の段階に進むことはできません。

 政治でもビジネスでも、「スタートではお互い近づいてみた方が、その先の選択肢を増やすことができる」と私は思います。

 

 

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