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「他人を変えたい人?」に感じた不快感

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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 現場の事例・私の体験

 まだ新型コロナが流行する前にあったある会合でのことです。今まで身近に接したことは少ないですが、久しぶりに「他人を変えたい」とはっきり言い切る人に出会いました。

 

 自分の思いや考え方を一生懸命に話し、すべてに賛同を求めてきます。その内容が思想的なことや政治的なこと、個人的な価値観にかかわることまで含まれていたので、私は賛同できる内容ばかりではありませんでした。

 

 周りにいた他の人は、聞き流す人や正面から反論する人などいろいろでしたが、最終的にはみんなその場を立ち去ってしまいます。それほど一方的で強硬に見える言い方だったので、私も最終的には他の人と同じく、その人のそばからは離れました。

 相手のことを思ってのアドバイス、愛あるお説教ならば、もう少し捉え方は違うと思いますが、自分の考えを一方的に押し付けたいだけのように見え、やっぱり不快に感じたからです。

 

 さらに不快だと思った理由がもう一つあり、それは自分の話に賛同する人、肯定的な反応をする人には「世の中をよく知っている人」「優秀で頭が良い人」という態度で扱い、そうでない人には「世間知らずで物を知らないバカな人」という言動をしていたことです。

 結局この人と話す相手は誰もいなくなり、本人も早々に帰ってしまいましたが、あの様子では仕方がないと思いました。

 こんな人の振る舞いを見ていて思ったことは、ここまでひどくはないにしろ、同じような自己主張の押し付けを、自分でも知らないうちにしていることはなかっただろうかという反省です。

 

 これはそれぞれ別の会社の部門長ですが、どちらの人もわりと指示が細かく、こうあるべきという自分の考え方を述べることが多い人たちでした。

 ただ、違っていたのは、一人は部下たちとの関係が悪く煙たがられていて、もう一人は部下たちからの相談も多く、良いコミュニケーションが取れているということでした。

 

 それぞれの部下たちの話を聞いてみると、前者の部門長は「話を聞いてくれない」「一方的」「高圧的」「パワハラ」などと言われ、いかにも自分の主張だけを一方的に部下にぶつけている様子がわかります。

 一方で後者は、「意見を聞いてくれる」「説明してくれる」「一緒に考えてくれる」と言われていて、結果的には上司の意見で物事が進んでいますが、途中では部下の意見をよく聞き、自分の考え方をよく説明し、できるだけ納得が得られるようなコミュニケーションを根気よく続けていました。

 

 この違いの理由は明らかで、「部下の立場を気遣い、それが部下に伝わっているか」ということでした。両者とも相手を変えたい、説得したいと考えていることは変わりませんが、そこに至るプロセスとして、相手への共感、説明、納得という手順を踏んでいたかどうかという違いです。

 部門長の立場で部下に迎合するばかりでは良くありませんが、「他人を変える」などというのは、そんなに簡単なことではありません。それなりのプロセスと時間が必要です。

 

 はじめはある人への不快な思いから始まったことでしたが、あらためて自分を振り返るには、良い機会だったのかもしれません。

 

 

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