男女の間の“差別”と“区別”の違いという話
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ある会社での打ち合わせの中で、「そういう仕事は女の子にやってもらえば良い」という発言がありました。
この「女の子」というフレーズを持ち出す人を見ていると、男女の特性に合った役割分担を考えているというよりは、いわゆる男尊女卑や、男は仕事で女は家庭というような、わりと古いイメージの価値観を持っていると感じることが多いです。
それはまったく好ましいこととは思いませんが、ただ、会社での仕事が多岐に渡る中で、女性的な接し方や雰囲気の方が合っていて、どちらかと言えば好ましいのではないかと思うような仕事があるのは事実だと思います。こればかりは、私も男として、どうしても男性目線に偏ると思われるので、この感じ方が正しいのかはわかりません。
これとは逆に、「うちの仕事は女性には難しいところがある」という話を、ある会社で聞きました。事情を伺うと、確かに「女性が一人では危ないかも」という場面があったり、力仕事という面で体力的に厳しそうだったり、ということがありました。そうは言うものの、もう少し工夫して女性にも取り組める環境づくりを考えれば、どうにかできるという気もします。
最近は、かつて男性のみだった職種に女性が進出するなど、女性が活躍する場は昔に比べればずいぶん増えた気がしますが、その一方で、まだまだ差別的な扱いを見聞きすることはあります。
少し前に、地方議会でのセクハラやじの話題が多数取り上げられましたが、出てきた意見を見ていると、本音では「このくらい大したことはない」とか「これが正論」などと思っている人が、男性を中心に、意外にたくさんいるような感じを受けました。
私が職場で女性と接する時に、基本と思っていることとして、「差別はダメだが区別は必要」という考え方があります。
例えば、力仕事のような体力に関わること、単独行動をする中で身の安全に関わるようなことなどは、「男も女も関係ない」とはどうしても言えません。
こういう考え方自体が差別だと言う人もいますが、だからといって本当に同じ扱いをすると、今度は女性への嫌がらせだなどという捉え方をされたりします。
差別と区別の境目というのは、このように答えがあるようで無い感じがしますが、それでもやはり、区別することはどこかで必要だと思います。
基本的には個々の特性を見ることが大事で、男だから女だからという固定概念は持たないことが良いのだと思いますが、一般的に言われる男女の違いという部分も確実にあると思います。
「それは女の仕事」「それは女性には無理」などと決めつけず、ちょうど良い頃合いの区別ができれば、より良い職場環境が作っていけるのではないかと思います。
このコラムの執筆専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
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