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山中 伸枝
山中 伸枝
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閲覧数順 2016年12月03日更新

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株式の配当や投信の分配金、申告したほうが有利?申告しない方が有利?

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 平成26年から上場株式の配当金や株式投資信託の普通分配金といいます)の源泉徴収税率が、25年までに比べて、所得税5.315%+住民税5%=20.315% と2倍に上がりました。

 上場株式の配当金や株式投資信託の普通分配金は、源泉徴収されるだけで申告しなくても構いませんが、以下の3つの方法から選択できます。

・確定申告しない(源泉徴収のみで課税終了)

・確定申告して総合課税を選択(累進税率)

・確定申告して申告分離課税を選択(税率は20.315%)

 確定申告しなければ、その配当の金額は税務上の合計所得金額や総所得金額等に含まれませんし、市町村等の発行する所得証明の所得金額にも含まれません。

 一方、確定申告して総合課税を選択すれば、税額控除の配当控除が受けられますので、配当控除後の実効税率が20.315%より低ければ還付を受けられます。(株式投資信託は外貨建資産割合と株式組入割合により配当控除の適用の有無や控除率が異なります)

 また、確定申告して申告分離課税を選択すれば、上場株式等の譲渡損失との損益通算が受けられますので、株式や株式投資信託で売却損が出ている場合には還付を受けられ有利です。

 それでは総合課税の配当控除後の実効税率はいくらになるでしょうか。以下、上場株式の配当で試算してみます。(株式投資信託の普通分配金は、投資信託により配当控除が異なりますので結果は違ってきます)

まず、平成26年の所得税率(復興所得税加算前)と住民税率は

課税所得所得税率
住民税率
合計税率
控除額
0円以下0%0%
0%
0円
0円超~ 195万円以下5%
10%
15%
0円
195万円超~ 330万円以下10%
10%20%
97,500円
330万円超~ 695万円以下20%
10%30%
427,500円
695万円超~ 900万円以下23%
10%33%
636,000円
900万円超~1,800万円以下33%
10%43%
1,536,000円
1,800万円超40%
10%50%
2,796,000円

(平成27年分以降は、4,000万円超は所得税率45%に)

 次に、個人の上場株式の配当金の配当控除率は、所得税は配当所得×10%、住民税は配当所得×2.8% です。ただし、課税所得金額が1,000万円超で、配当所得を除いた課税所得金額も1,000万円超の場合の配当控除率は、所得税は配当所得×5%、住民税は配当所得×1.4% です。

 確定申告して総合課税を選択した場合の上場株式の配当金の配当控除後の所得税の実効税率は、「(所得税率-所得税の配当控除率)×1.021(復興所得税)」、住民税の実効税率は「住民税率-住民税の配当控除率」となります。

課税所得
実効所得税率
実効住民税率
合計実効税率
0円以下0%
0%
0%
0円超~ 195万円以下-5% ※
7.2%
2.2%
195万円超~ 330万円以下0%
7.2%7.2%
330万円超~ 695万円以下10.21%
7.2%17.41%
695万円超~ 900万円以下13.273%
7.2%20.473%
900万円超~1,000万円以下23.483%7.2%30.683%
1,000万円超~1,800万円以下28.588%8.6%
37.188%
1,800万円超35.735%8.6%
44.335%

(平成27年分以降は、4,000万円超は合計実効税率が49.44%に)

(※ -5%になるのは、配当金に係る所得税から控除しきれなかった配当控除の5%が、配当金以外の所得に係る所得税から控除されるため)

 つまり、上場株式の配当を含めた課税所得金額(総所得から所得控除を引いた金額、税率をかけて税額を求める金額)が695万円以下なら、総合課税を選択した方が税金だけを考えると有利です。

 しかし、確定申告することで合計所得金額や総所得金額等が増えることにより、様々な分野で影響を及ぼす場合があります。

 ざっとあげますと、配偶者控除や扶養控除の所得要件、社会保険の被扶養者の収入(130万円)要件、遺族年金の収入(850万円)・所得(655.5万円)要件、国民健康保険料の所得割、65歳以上の介護保険料の保険料段階、70歳以上の医療費の自己負担割合、高額療養費の所得区分、所得制限のある行政サービスの利用 等々です。

 昨年までは源泉徴収税率10%でしたので申告不要を選択する方が多かったと思いますが、今年分からNISA口座分以外では源泉徴収は2倍ですのでばかになりません。来年の確定申告時期までに、自分にとってどの課税方法を選ぶのが包括的に見て有利なのか検討してみてはいかがでしょうか。

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