- 奈良 修次
- ナラ鍼灸院 院長
- 大阪府
- 鍼灸師 臨床検査技師
対象:体の不調・各部の痛み
- 奈良 修次
- (鍼灸師 臨床検査技師)
足の冷えは足にある二つの静脈血の“注ぐ口”の血流停滞が冷えを発症させると考えます。東洋医学的には瘀血(おけつ)と表現します。
二つの“注ぐ口”は「内くるぶしの上」と「かかとの上」にあって、内くるぶしの“注ぎ口”には親指側の内側の枝静脈血が集まり、かかとの上の“注ぎ口”には小指側の外側の枝静脈が集まり流れ込みます。
その、“注ぐ口”の血流停滞が内くるぶしの上で起きれば「足首の冷え」となりかかとの上で起きれば「かかとの冷え」となるのです。「仮説」
解剖学的には、内果(内くるぶし)側の枝静脈は足首の内側からはじまる大伏在静脈(だいふくざいじょうみゃく)に注がれ、外果(外くるぶし)側の枝静脈はかかとの上からはじまる小伏在静脈(しょうふくざいじょうみゃく)に注がれます。
二つの足冷えの原因
1.ふくらはぎ「第2の心臓」の動かし不足
心臓が下肢の血液を吸い上げることができるのは全体の3〜4割で、残りはふくらはぎ(下腿筋)が収縮することにより血液が心臓へ押し上げられるのです。ふくらはぎが「第2の心臓」といわれるのはこのためです。この第2の心臓をヒラメ筋と腓腹筋(ひふくきん)からなっていて別名「筋ポンプ」とも呼ばれています。
このことから、ふくらはぎが「硬い」「元気がない」「ふくらはぎの動作不足」などが“注ぎ口”の流れを悪くして冷えの原因になっていると思われます。
2.交感神経の亢進(自律神経の乱れ)
足の細動脈(酸素の豊富な温かい血液)は交感神経の支配下にあって交感神経が活動すると血管の中膜にある平滑筋(へいかつきん)が収縮し温かい血液がスムーズにいかなくなり足冷えの原因となります。
ストレスは交感神経を過度に緊張させます。睡眠不足や働きすぎ、職場や家族との人間関係の悩みなどがストレスの原因になることはよく知られています。また、冷えはストレスを大きくし冷えを強くし、その冷えがまたストレスとなり冷えを強めます、この様にストレスと冷えの限りない悪循環が生まれます。
卵巣を冷やす外腸骨静脈
私たちのからだは心臓から出た血液が心臓に戻るまで約1分を要します。この流れによって体温が維持されています。
先に説明した大小の伏在静脈は太い大腿静脈に流入し骨盤内では外腸骨静脈となり心臓へと戻っていきます。
骨盤内での外腸骨静脈は卵巣のわきを通ることから卵巣を冷やすことになります。
ですから、足の冷えが強いほど戻る外腸骨静脈が冷たくなり卵巣がダメージを受けることになります。
解消は下記の「別法」を参考にしてください。
外腸骨静脈の冷えは生理不順や生理痛を誘発するだけでなく、卵巣機能を低下させて卵胞成長に悪影響を与えます。結果として子宮内膜の形成や着床成立に悪い影響を与えることになります。
足の冷えの解消法
足の冷えの解消は、心臓に戻る枝静脈の伏在静脈への“注ぎ口”の血流れをスムーズにすることと足へ流れる細動脈血がスムーズであれば冷えは解消します。
1.おだやかな方法
1)歩き方で改善
長い時間を立ち仕事や座り仕事をされている方は、休憩時間や仕事の合間を使っておこなうとよいでしょう。少なくとも1時間に1回は歩くか、つま先立ち運動を行いましょう。
歩く時、ふくらはぎにある筋ポンプを動かすために、足首を動かすことが効果的でつま先で蹴り出すように意識して歩きましょう。
応急として、冷えがどうしょうもない局面では“俗”に云う、「貧乏ゆすり」を小刻みに行い対処してください。
2)靴の選び方で改善
きついサイズのくつは足の血液循環を悪くします。くつ底の厚いものはふくらはぎの動きを悪くして枝静脈血の心臓への戻りを悪くします。ハイヒールも同様でふくらはぎの動きが悪くして枝静脈血の心臓への戻りを悪くします。
ふくらはぎの動きに良いくつは、くつ底が平らでつま先立ちが出来るくつをいいます。
2.積極的な方法
1)不妊温熱療法での解消
ご自宅の浴槽を加温装置としてからだを温め、その後、温かくなったからだを「安静保温」する「お風呂の温熱療法」の定義に沿ったセルフメンテナンスメソッドがあります。
このメソッドは、病院での不妊治療と併行して行なう自分ができるセルフセラピーで妊娠を困難にしている冷え体質を改善して妊娠成功に貢献するものです。
医学的根拠の観点から平熱35℃代の方が36.3℃以上の平熱に戻すことで母体づくりが上手くいき妊娠されるケースも少なくない。
別法として、
卵巣を良好な温環境にする入浴5分後の筋肉ポンプ作動があります。これは温められた皮下の毛細血を大伏在静脈、小伏在静脈へて外腸骨静脈の血流を促し卵巣に温刺激を与え結果的に卵巣周辺の血流を良くしょうとするものです。
冷えが妊娠を難しくしていると思われる貴女にお勧めのコラム「冷え改善とタイミング法で妊娠」
お知らせ
大阪市区民センターで実施していました着床の勉強会を終了しました。改めて、血流が着床成功に大きくかかわっていることが受講された喜びの声から再認識することができました。
現在では、実用冊子の臨床入浴「子宝編」を通じて実践していただき個々の問題の解決の一助にしていただきたく思います。 目次は、 購読は、
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