大澤 眞知子
オオサワ マチコグループ
「海外に留学されている方はどういう目的で行っているのでしょうか?」
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「留学」を余りにも簡単に考えすぎている日本から、簡単明快な質問が来ました。
【質問】
海外に留学されている方はどういう目的で行っているのでしょうか?
語学力を伸ばしたいだけですか? 他に理由があれば教えて下さい
【回答】
「留学」の定義を真正面から問いかけるいい質問ですね。
正に、「留学、留学と騒ぐ風潮って?」へ疑問を投げかける問いかけです。
「留学」とは、「外国に滞在し、その国でしか出来ない学問をすること」です。
決して「語学」の出来ない人が「語学習得」目的でするのは「留学」ではありません。
最近流行りの「語学留学」は意味そのものがおかしいと思いませんか。
それらは「語学体験旅行」とでも言えばいいと思います。
カナダで、日本から本当の意味で「留学」してくる若者支援を行い30年近くになります。
その生徒たちの「留学」とは:
・A.I.分野に優れたカナダの大学で研究をするため
・優れた数学センスを使い経済学修士号を取得。日本語・英語の両方で専門分野を駆使する能力をつけた
・やはり、Scienceとしての経済学を修め、統計学とのDouble Majorを取得。 英語運用能力と、類まれな専門分野の知識をつけた
・観光に興味のあった生徒は、Hotel Management学位を取得。学問を通じて培った英語コミュニケーション能力も武器に世界でホテル業に挑戦
・カナダの進んだKinesiology を目指して留学。国際アスレチックトレーナーの資格取得
・同じくKinesiology学位取得後、カナダで永住権取得。専門分野を生かし活躍中
・UBCのmechanical engineerの学位取得後、日本の大企業に就職。 現在はアメリカに赴任中
・カナダでBusiness Administration 学位取得。
などなど、まだまだ続きますが、大切なことは「英語を学ぶのが目的ではない」ということ。
これら生徒たちは、日本にいる時に高いレベルの英語能力をつけ、クリティカルシンキングの基本も学び、英語のエッセイはほぼ問題なく書ける状態になってから「留学」しました。
また、日本の学校でも成績優秀、様々な面でリーダーシップを発揮していた生徒たちです。
つまり、日本での成功者でもあったわけです。
日本で進学ではなく、なぜカナダを選んだかと言うと:
「自分の学びたい専門分野がカナダの方が優れている」
「世界の中心である北アメリカ、しかも他民族文化のカナダで学びたかった」
「自分の専門分野を、日本語・英語の両方で運用出来る能力をつけたかった」
「若い時には絶対に外の世界をみるべきだと思い、留学を決めた」
などです。
こんな優秀な生徒たちでも、留学初期にはかなりの苦労を強いられました。
英語の思考法・クリティカル・シンキングレベルの高さについていくのにまず数年かかります。
日本の社会・教育には全く存在していない思考法ですので、習得に時間がかかります。
クリティカル・シンキングが出来ない場合には、大学の勉強についていくのは不可能です。
さぁ、日本人の中の「留学観」がかなり偏っているのがおわかりですか。
世界で悪名高い「日本人は英語が出来ない」がはびこる理由がわかる気がしますね。
「留学」は「英語を学ぶのが目的ではない」ことをみなさん、よ〜く肝に命じて、日本で十分英語能力をつける努力をして下さい。
「留学」は英語能力をつけてから。
Good Luck!
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