大澤 眞知子(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)- コラム「【カナダに高校留学・卒業希望?】このENGLISH12最終試験に合格すれば可能です」 - 専門家プロファイル

大澤 眞知子
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大澤 眞知子

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( カナダ留学・クリティカルシンキング専門家 )
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【カナダに高校留学・卒業希望?】このENGLISH12最終試験に合格すれば可能です

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留学 大学・高校正規留学 2018-04-14 03:53

カナダの高等教育レベルの現実を日本に発信し続けていますが、未だにとんでもない間違った思い込みが蔓延する状況を危惧しています。

 

帰国生入試も含め、大学進学を目指すための高校留学で、日本人が陥るのがENGLISH 授業の難しさです。
卒業にはEnglish 10, 11, 12のすべてが必修で、最終試験は各州が行います。

 

English10でもレベルはとても日本からカナダに到着後の生徒が対応出来るものではありません。

日本での英語がトップクラスだった生徒でも無理です。

クリティカル・シンキング思考法に長け、客観的・論理的・科学的・批判的な考えを、レベルの高い語彙・文法を正確に使い、しかも英語の真髄である具体的な表現で表す能力が問われます。

Reading の量も非常に多く、1週間で一冊の本が終了することも普通です。

シェイクスピアなどの古典もカリキュラムにありますので、古い英語を理解することも必要になります。

 

Responseと呼ばれる読後のIdeaをエッセイにすることも、授業では非常に頻繁に行われます。

例えば、あるShort Storyを読み、こんなResponseを書きます。

“Recall a time when you had a favourable opinion of someone, only to learn that that person had betrayed your trust.

In retrospect, were there any clues that might have alerted you to this

person’s “darker side”?”

 

これはEnglish10のレベルです。

書く速さとしては、5分かけると他の生徒からは遅れてしまいます。

 

English10, 11, と合格すれば、English12が履修可能となります。

相当の難易度です。

しかも、学校の授業成績だけでなく、州が最終試験を行いますので、留学生も容赦ない点数がつき、その成績で大学進学が決まる国です。

 

膨大なReading 量とエッセイ量が出題されますが、その一部を添付しておきます。

 

「カナダの高校を卒業したいです!」という甘い夢をみている方は、ぜひやってみて下さい。

このレベルに何年で到達すると思いますか?

あるいは、到達可能だと思いますか?

4〜5年はかかりますが、これに合格出来る日本人高校生は5割にも満たないと思います。

_____________________ 

 じゃ、今度は、カナダのレベルと、日本の大学入試の英語エッセイ試験を比べてみましょう。

 

“In recent years the Japanese Ministry of Education, Culture, Sports, Science, and Technology (MEXT) has been encouraging public elementary schools to provide English conversation lessons during the periods devoted to General Studies. This has led to widespread discussion concerning whether English should be made a compulsory subject at the elementary level.”(早稲田国際教養) 

「小学校での英語教育」についての説明です。

まだQuestion は出てきません。 えらく前置きが長い、正に日本的な文章です。

 

やっとQuestion 登場ですが、なんと3つも答えを用意してくれています。

“Do you think that English should be made a compulsory subject from the first grade of elementary school in Japan?”

“Or, do you think that English should not be taught in elementary school at all? “

“ Or, is your opinion somewhere between these two extremes? Write a paragraph defending ONE of these three positions, giving at least one appropriate reason to support your opinion.”

(解答欄は144mm×8行)

 

Question は最初のだけで十分。

他のは、クリティカル・シンキングを使って答えていく過程で出てくる内容です。

まるで幼稚園児に書き方を教えているレベルに思えます。

しかも、短い! 英語80語程度ですね。

カナダのEnglish10のShort Responseでもこんな短さのは珍しいです。

 

つまり、早稲田の国際教養に合格した日本人大学生でも、カナダのEnglish10にはパス出来ない可能性が高いということです。

 

下記のような低レベルエッセイ問題が多くを占める日本の大学入試。

“Smoking should be made illegal in Japan.”

これについて、賛成か反対かを述べ、理由を2つ以上書く問題です。

語数はやはり80語〜100語のみ。

 

これら2つの日本の大学入試英語エッセイ問題は、カナダでは中学7〜8年生レベルです。

 

 

【結論】

日本の一流大学に合格する日本人でも、仮にカナダの高校に来た場合、English10すら合格できないことがおわかりですか。

英語を母国語とし、クリティカル・シンキング能力がないと大学進学への資格がもらえない国カナダで勉強するとは、こういうことです。

 

「カナダにの高校に留学し、卒業し、大学進学します!」とエージェントの嘘を鵜呑みにして希望いっぱいの高校生のみなさん。

 

これが現実です。

 

【忠告】

・カナダ高校留学は非現実ですので、まずは日本の高校を卒業すること。

・日本での成績がトップクラスで、自己動機が強く、4〜5年かかってもカナダの高校卒業を目指したい場合は、必ず日本で十分「英語」「クリティカル・シンキング」の準備をしすること

(最低1年の準備期間は必須)

・留学後も最初の1〜2年はEnglish10(すぐには入れませんよ)の準備としての個人的学習サポートが絶対必要

 

【追記】

添付しているカナダのEnglish12の最終試験に挑戦したい方はやってみて下さい。

どの程度の点数がもらえそうか、添削しますのでこちらまで

 

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