大澤 眞知子(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)- コラム「(その4)これからカナダ留学するみなさんへ-[留学せん事-2004年出版]からの助言」 - 専門家プロファイル

大澤 眞知子
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大澤 眞知子

オオサワ マチコ
( カナダ留学・クリティカルシンキング専門家 )
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(その4)これからカナダ留学するみなさんへ-[留学せん事-2004年出版]からの助言

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留学 大学・高校正規留学 2017-08-20 06:28

1994年からカナダで日本人留学生の支援をして来ました。

現在は、サイエンス専攻を目指す特別な高校留学、またA.I. 研究者を目指す大学留学に特化したサポートのみ行っております。

 

2004年には「留学せん事」という本を出版し、「高校留学」の裏側をご紹介しました。
ここでは、その中から、日本からは見えない現実をシリーズでご紹介しています。

 

【留学せん事】ロバート・ミックミラン/大澤眞知子 共著 2004年出版 日本文学館

「。。。ホームステイでは、日本の習慣が非難の的になる可能性が高いです。特に問題になるのは、日本の子供たちのお金と時間の使い方です。日本の親は2つの点で子供に甘いとと思います。カナダの子供たちは、日本の子供みたいにお金をたくさんもらうことはありません。お年玉の文化はないのです。大学の学費も自分で働いて出すものだと思っています。高校生が夜更かしをすることもありません。。。。。。」

 

1.日本の留学生は悪影響

 

全般的に日本の留学生は、カナダの高校生よりもお金を使います。

親元を離れているからと言えばそうですが、それでも高価な靴を買ったり、IT製品を買ったり、カナダのホストをびっくりさせます。

カナダ人は、自分の子供たちに、また地元に悪影響なのではないかと心配し始めます。

 

日本の親に言うと「うちの子にはそんなにお金は持たせていません。」と気分を害しますが、カナダの人たちの道徳観を変えることは出来ません。

そのうち、カナダのホスト達はこう思い始めてしまいます。

「日本の子供は退廃していて、お金を使う留学生は邪悪だと。」(「留学せん事」より)

 

カナダのホストは、留学生の夜更かしにも非常に敏感に反応します。

いくら真面目な留学生で、宿題を遅くまで一生懸命やっていてもです。

10代の子供が夜中すぎまで起きて勉強するなんて異常だと、問題にします。

特に、夜更かしして、日本とLINEしたり、日本のビデオを見ている留学生に至っては、邪悪な存在そのものになってしまいます。

何しにカナダに来たんだ!と。

 

このように日本では普通の習慣が、カナダでは大きなトラブルになり、結局ホストにも嫌がられ、学校でも嫌がられ、カナダ留学が悲惨な結果になるケースも多いです。

一番の問題は、留学生自身が、なぜホストが怒るのかさっぱり理解出来ていないことです。

お金も、時間の使い方にしても、悪いことをしている実感のない留学生。

反抗的で躾の出来ていない子とみなされてしまいます。

 

2.愕然とする学校での留学事情(日本人留学生側)

 

「。。。余り自己主張の得意でない日本人留学生は、裁縫とか料理とか、英語の能力が低くても取れるコースを取るよう勧められます。 こんなコースは、その単位でも取らなかったら、卒業はおぼつかないようなレベルのカナダ人のために作られたものです。。。。おちこぼれの生徒のためのコースとみなされ、能力なんて問題外なのです。頭のいい生徒はそんなコースは絶対取りません。 勉強なんてどうでもいい生徒の溜まり場的なコースです。 私が通った高校では、麻薬を売っている女の子を探そうと思ったら、料理のコースへ行け、というのが常識となっていました。。。」(ロバート・ミックミラン「留学せん事」より)

 

何を勉強して、どんな勉強をして、どうすれば卒業出来るのかを知らずに留学する日本人が多すぎます。

カナダの高校を卒業しようと思ったら、規定の単位を取ることが必須です。

数学・英語・社会・理科などはもちろん、多くの選択科目も含みます。

必死で勉強する必要があります。

ただ、毎日学校に行っているだけでは合格出来ません。

合格せずに次のコースを取ることも出来ません。

 

3.愕然とする学校での留学事情(学校側)

 

留学生が自分の授業を取るのを好ましく思わない教師もたくさんいます。

日本人は英語が出来ないので(そう言う悪評がすごいです)余計な手がかかると思っているからです。

そんな教師の授業では、よほど留学生が存在感を見せつけない限り、無視されます。

 

問題のある教師も多いです。

労働組合の強いカナダでも、教師は特に調子に乗っている職業です。

とりあえず何かやっておけば無事に定年を迎え、年金をもらえると、それだけを楽しみにしている教師の多いこと。

素晴らしい教師もいる傍ら、その差には驚きます。

 

頑張って勉強したいと思っている留学生でも、そんな教師のコースを取ったが最後、ほぼ自分で教科書を読んで自習状態で、宿題も余りありません。

内容も勉強の仕方もわからないまま試験です。

学校や教育委員会も、質の悪い教師のことは認識しているようですが、労働組合が強すぎるので手が出せないようです。

カナダにはそんな一面もあることを知ってから留学するか、学校のコース選びには生徒の立場で学校と強行に交渉してくれるサポートが絶対必要だと思って下さい。

 

 

(その4)に続く

 

ご質問などありましたらお寄せ下さい。

より具体的な回答もさせていただきます。

 

Good luck, 躾の出来ている留学生のみなさん!

 

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