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引き渡しまでに境界確認できない

住宅・不動産 不動産売買 2017/04/02 08:53

売主です。住んでいなかった家を売却しようとしたら、隣の家が新築時に境界標を埋めてしまったことがわかり、その部分だけ境界が明示できない状態にあります。
そのため、今回の売却で、T字に分かれた土地の境界標を新たに確認してもらおうとしましたが、境界関係者(その埋めてしまった隣の家を含め、我が家以外の2軒)は外国へ行っていて、立ち合いができないため、筆界確認書が作れません。

私たちは、境界標が埋められたと分かった時点で、契約を先送りにすると仲介業者に意見しましたが、境界標を整備する費用を仲介業者が負担するとの合意書を作るから、契約をしてくれと強く言われ売買契約をしてしまいました。そのときに簡単に境界を明示できると言ってたのです。
来週引き渡しの予定です。

しかしその後、仲介業者が委託した土地家屋調査士が外国へ行った人と連絡がつかず匙を投げ、次の土地家屋調査士も状況の進展がうかがえず、引き渡し日がきそうです。
そうなると、土地所有者が変わっても、売主が境界明示できないという状況になってしまいます。売買契約書には売主に境界標の明示が義務付けられていますが、買主もその状況の説明は受けています。また、重要事項の説明では、引き渡し時までに明示予定と書いてありますが、契約書ではふれていません。契約不履行で訴えられるのも心配です。

引き渡し後は、土地の所有者が変わるため、境界確認書などは、売主ができないと思うのですが、買主との間にどのような文書があれば、売主が責めをおうことなく、スムーズに取引が行われるでしょうか?また、文例も教えてください。
仲介業者は、8条の境界明示を、引き渡しまでとなっている箇所を、単に日付をさきのばしにするという合意書を作ろうとしていますが、果たしてそれだけで大丈夫なのでしょうか。
6月には隣家1軒が帰ってくる予定ですが、当の埋めた方の立ち合いはできそうもありません。
買主を含め関係者3軒がそろってから境界確認をしてほしいと思うのですが・・・。どうしたらよいのでしょうか。

xuxuyukiさん ( 東京都 / 女性 / 49歳 )

回答:1件

藤森 哲也 専門家

藤森 哲也
不動産コンサルタント

1 good

境界確定の契約条件について

2017/04/03 17:11 詳細リンク
(5.0)

はじめまして、不動産コンサルティング会社、アドキャストの藤森と申します。

ご質問いただきました件ですが、契約内容については細部にわたる確認や精査が

必要となりますので、ある程度こちらで仮想した状況での回答となります。


xuxuyuki様が危惧されている状況に、境界立会いが不調となった際、債務不履行による

買主からの違約金請求などがあると思います。

これに関しては、契約条件としてどのように設定されているかによります。

売主(xuxuyuki様)の責任と負担で何らかの条件を成就させなくてはいけない場合、

それが出来なかったときは契約を解除するのか、それともそのまま引渡すのか、

解除の場合は違約金・損害賠償は請求しない旨や、買主へ手付金などを返すこと、

それに金利などはつかない旨などを明記します。

単に「売主の責任と負担で引渡までに境界立会いを行う」とだけの明記ですと、

成就できなかった際の取扱について、契約条件の不履行という見解になる可能性が

ございます。


重要事項の説明で「引き渡し時までに明示予定」としていても、重説後に締結する

売買契約書で「売主に境界標の明示が義務付」とのことなので、不成就のときの

契約の処理をどうするか、契約書等を今一度確認する必要がございます。



また、日付を先延ばしにする合意書での調整は、不動産取引ではよくございます。

しかし、その内容に付いては売買契約の条件と異なる取決めを行うので、

原契約の中で決められていることと矛盾などが生じては良くありません。

売主買主が互いに都合のよい条文を主張し合い、トラブルになる可能性があります。

そのため、売買契約や重要事項との細かい条件のすり合わせなど、更に繊細な精査と調整、

調整した新たな契約内容や、条件変更に伴い起こる影響への注意喚起、矛盾する条文の

打ち消しの文言なども明文化することが大切です。



境界立会いが成就できない可能性が高いにも関わらず、引渡日を延期するだけの

合意書では、今と同じ状況を後に向かえるだけで、あまり意味はないと感じます。

買主側からしますと、引越しなどのスケジュールを先延ばし、一度は契約条件を

譲歩した状態になりますので、再度、条件(境界立会い)ができなかったでは、

クレームや何らかの責任を請求されやすい状況とも思えます。



売主(xuxuyuki様)側の利益を考えた場合、原契約の条件などにもよりますが、

・境界立会いは努力義務。出来ない場合は現況有姿(そのまま)での引渡し
・登記簿売買とし、境界立会い結果(立会い不調等を含む)によらず、地積更正登記、
面積等の増減による実測清算等は行わない

もしくは・・・、
・境界立会い契約条件だが、万一出来なければ●ヶ月を限度に引渡日延期、
●ヶ月を経過しても成就できなければ買主は白紙解約できる(契約を継続して引渡しもできる)
・引渡日の延期または契約が白紙解約となっても、売主に対し金員の減額、
損害賠償請求等を買主はしない

または・・・、
・境界立会い契約条件だが、万一出来なければ白紙解約
・契約が白紙解約となっても、売主に対し金員の減額、損害賠償請求等を買主はしない


といった、境界立会いができなかったことで売主(xuxuyuki様)側が不利益を出す状況を

解消する条件へ、契約内容を変更する旨が必要かと思います。




本来の仲介の仕事とは、依頼主の利益をまもりつつ、不確定な条件については

出来なかった場合を想定しての取決めを明確に設定します。

当然、気持ちの変化での一方的な解約など、非常識な行為にはペナルティを

設定しなければ、もう一方の当時者の利益に影響が生じますが、今回のような

境界立会いは第三者あっての条件ですので、これによるペナルティの発生は

起こらないように調整することが望ましいと思います。


質問のなかにあります「境界標を整備する費用を仲介業者が負担するから契約」

といったくだりを拝見しますと、通常では仲介が費用負担してまでやることでは

ありませんので、仲介手数料(売上げ)ほしさに、何とか契約を締結させたいという

思いも感じます。

それ自体は、売主(xuxuyuki様)側の手間や費用を負担してくれますので、けっして

悪いことではないのですが、その営業スタンスから「依頼主の利益保護」の意識が薄れ、

「契約」「仲介手数料の発生」までで完了してしまっている仕事もよく見かけます。


今回の契約が、自己(仲介)のみの利益に向いた中途半端な仕事ですと、説明したような

契約条件の調整が原契約でも、契約内容変更の合意書でも不十分となっている可能性も

重々ございます。


・違約金などの可能性について原契約の内容精査
・売主(xuxuyuki様)の利益保護に必要なリスクヘッジ (変更が必要な契約条件)
・原契約の条件とすり合わせ矛盾を排除(原契約の一部条件打消しなど)した合意書の提案

などは、どうしても実際の契約・重説を拝見しなければ行えませんので、

具体的な文面提供といったアドバイスは難しくなってしまいます。

できるだけイメージしやすいよう、条件例なども含め回答をしてみましたが、

十分な内容ではないかもしれません。

もし、さらに精度の高い内容精査などが必要でしたら、有料にはなりますが当社の

契約書チェックのサービスをご利用いただけると、当該契約に合ったリスクヘッジの

提案もできるかと思います。

http://www.ad-cast.co.jp/purchase/contract-check/



本来でしたら、契約書のなかで明記するものではありますが、幾つかの参考文面を

補足へ記載しておきます。契約内容に合わせたものでもないですし、それで十分と

いうわけでもないと思いますので、あくまで参考として下さい。

Xuxuyuki様の安心・安全な不動産売却に役立つアドバイスとなれば幸いです。



以上、ご参考になりましたでしょうか。

アドキャスト:http://ad-cast.co.jp/ 藤森哲也

補足

□境界立会い条件。但し、不成就時は延期及び解約

本物件は買主の居住用建物建築を目的に売買契約を締結するものです。売主は、その責任と負担において本物件土地引渡し時までに、
別紙「●●図(平成●年●月●日作成)」に基づく実測面積確定(全ての隣接地所有者との境界立会い等)を完了させるものとします。
売主の責に帰すべからざる事由により、本物件引渡日までに実測面積確定が成就できない場合、売主は遅滞なく告知するものとし、
双方協議の上、●ヶ月を限度に引渡日を延期することができるものとします。尚、引渡日より●ヶ月間を経過する時期においても
当該実測面積確定が成就できない場合、売主買主は互いに本契約を白紙解約できるものとします。
買主は、当該事由により引渡日の延期または本契約が白紙解約となっても、売主に対し金員の減額、損害賠償請求等、
何ら異議を申し立てないものとし、売主は、買主より白紙解約の意志表示があった場合、売主は遅滞なく受領済みの金員を
無利息にて買主に返還するものとします。


□境界立会い条件。但し、努力義務
登記簿による地番:●番●の面積は●●●平米となっておりますが、登記所に関係図面(地積測量図)が保管されていない為、
敷地形状等は不明です。但し、売主の責任と負担において引渡日までに、別紙「●●図(平成●年●月●日作成)」に基づき
立会いを得て承認された、境界確認書を取得するよう努めるものとし、当該立会が不調となった箇所については、
現況有姿での引渡しとなります。
尚、一部隣接地所有者と境界立会が行われておりますが、立会済みの箇所においても、売主による未立会い箇所の立会いの
結果(立会い不調等を含む)により変更または不明箇所が生じる可能性があることを、買主は予め了承するものとします。

本契約については登記簿売買とし、境界立会い結果(立会い不調等を含む)によらず、売主による地積更正登記、
面積等の増減による実測清算等は行わないものとしますが、売主買主とも何ら異議を申し立てないものとします。


□契約変更が伴う場合
当該契約内容の変更にかかわらず、原契約の売買代金は変更はないものとし、売主買主とも金員の増額減額、損害賠償請求等、
何らの異議を申し立てないものとします。

仲介手数料
契約書
損害賠償
不動産売却
不動産

評価・お礼

xuxuyukiさん

2017/04/03 21:12

大変詳しく、丁寧な回答をいただき、誠にありがとうございました。夫と二人で、感心、感激いたしました。これを参考にトラブルを回避したいと思います。今後また不安なことがありましたら直接ご相談させていただきたいと思いました。心からお礼を申し上げます。益々のご活躍を願っております。

回答専門家

藤森 哲也
藤森 哲也
(不動産コンサルタント)
株式会社アドキャスト 代表取締役
03-5773-4111
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売ってしまえば終わり・・・になりがちな不動産業界の現状に疑問を抱き、不動産購入には欠かせないお金の勉強をスタート。FP資格を取得。住宅購入に向けての資金計画、購入後の人生設計までトータルにサポートする「一生涯のパートナー」を目指しています。

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