夢を追いかけるか、現実をみるか。

初めまして。キャリアリーブスの市村と申します。
私は社会人向けにキャリア形成や転職のキャリアコンサルティングをする傍ら、都内の私立大学で就活のアドバイザーの仕事をしています。社会人と学生と、両方それぞれの悩みに向き合ってきた経験から少しお話させていただきます。

歌手になりたい、という夢はiaktfさんがやっと見つけ、この1年取り組んできたことですね。その想いと1年間努力してきたことに、まずは誇りと自信をもってください。なんとなく大学生活を過ごしてきたあなたが、その気になれば頑張れることの証です。

言うまでもなく、プロの歌手になることも、歌手として成功することも、とても狭き門です。努力だけでなく、才能や運も必要です。もしうまくいかなければ、職業という意味でその後の社会人人生は厳しいものになるでしょう。そのリスクを負って、頑張り、歌手としての地位を勝ち取る覚悟がおありですか。

人間、必死になって頑張れば道は拓けます。「道は拓ける」の意味は、必ず歌手として成功する、ということではありません。成功できるかもしれませんし、花開かないかもしれません。が、たとえ歌手として花開かなかったとしても、そこで苦労し頑張った体験がその後の人生に何らかの形で活きる、という意味です。新卒として正社員でどこかの企業に入ることが唯一の価値ではありません。そんな普通の大卒の人とは違うキャリアを歩むことになるというだけのことです。リスクを取る覚悟がおありでしたら、自分を信じて進むだけです。

一方、新卒というタイミングは、自分の意志で職業を選び、正社員として就職するチャンスをもらえる、たぶん1回限りの機会です。卒業後2～3年は新卒扱い、という動きもありますが、企業がそうした人を評価する眼は厳しいと思います。iaktfさんもお感じになっているように、中途半端な気持ちでは採用はおぼつきませんので、留年を含め時間をかけて準備し、取り組まなければなりません。ただ、歌手として成功する確率よりは、こちらの方がうまくいく可能性は高いでしょう。

iaktfさんの相談の文面から推測すると、歌手を目指すという想いが揺らいでいて、覚悟がもてない状態になって悩んでおられるようにも思います。もしそうであるなら、リスクを取るべきではないのではないでしょうか。
(補足に続きます)