- 下村 豊
- 株式会社CSプランナー 代表取締役
- 経営コンサルタント
対象:新規事業・事業拡大
- 下村 豊
- (経営コンサルタント)
その会議での決定内容への評価は、他に任せるとして、なぜ、こんなにも話題になったのか。
それは、20年近く続くデフレの脱却が、喫緊のテーマになっているからである。
ここで曖昧な記憶を述べることをご容赦頂くとして、
私の20代の頃、つまりは1980年代のスナックでのこと。
ボトルキープ料金が、サントリーオールドで8000円だった。
私の好きなカティザークは、10000円を越えていたように思う。
一般の居酒屋のビール1本も、今と同じか高いぐらいの500円から600円だったのではないか。
出張の際のビジネスホテルの1泊料金は、6000円~8000円、会社の規定料金5500円では収まるところがなく、自分で手出ししていた。
昼のランチも、1000円前後が当たり前だった。
今は、大都会の東京でも、5000円を下回るビジネスホテルがあり、昼のランチもワンコイン(500円)をウリにするところもあるくらいだ。
すき家の朝定食、マクドナルドの朝マックの200円なんて、当時では全く考えられない価格が現在を物語っている。
それほどに、物価は上っていない。
いや、確実に下がっている。
だから、世間一般の意識は、高かければ売れないと、価格設定で腰が引け、さらに下げてしまう。
では、この価格競争に巻き込まれない唯一の方法は何か。
それは、有形無形に関わらず、「他にない」である。
以前にも述べたが、星野リゾートが運営する宿泊施設は、1泊50000円から、10万円近くする。
それは、他では味わえない体験ができることをうたい文句にし、現実、繁忙期には予約が取れないらしい。
ここ京都の祇園の有名割烹料理店では、夜のおまかせコースで、20000円は当たり前で、連日にぎわい予約がとれないところもある。
それほどに、他では味わえない料理と雰囲気があるらしい。
ダイソンの羽のない冷風機は、安い扇風機なら数千円で買えるところ、家電量販店で30000円を越える値段が付いていた。
TDR(東京ディズニーリゾート)は、83年開業時の入場料金が3900円だったのに、現在は6200円になっている。
にも関わらず、昨年は、過去最高の入場者数を記録した。
日本一、もしかしたら世界一のテーマパークだから、かもしれない。
ここで述べたのは、ほんの一部であり、皆様が知っているものを例に挙げた。
共通点は、「他にない」である。
しかし、これが難しい。
とくに、製造メーカーになると、出した当初は、他にないつもりでも、すぐに類似品が出てくるのが現実だ。
しかし、諦めたら終わりである。
また製造メーカーにとっても、「他にない」は、機能だけのことではないことを忘れてはいけない。
そこには、使い勝手やアプリケーション(使われ方)が存在するのだ。
それを見つけたメーカーが、「他にない」という価格競争に巻き込まれないものを手にするのである。
新商品開発、新事業参入におけるブラッシュアップ、販路開拓は、お気軽に当社にご用命下さい。
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