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土地取得者の期待に応えるために、設計・監理の腕を磨くことは勿論ですが、土地や融資、税金や資産運用など、不動産や建築全般にわたる専門知識を備え、計画を推進していくリーダー、すなわちプロデューサーとしての能力が必要になると思います。
私の事務所でも土地からの相談を積極的に行っています。建築家として土地や予算に縛られることで、建築の可能性を失いたくはないというのが主な理由です。
建築はどうしても土地取得の後になりますから、出てきた素材で料理をせざるをえない宿命があります。しかし、レシピをイメージしながら、自ら素材を探すチャンスがあるのであれば、料理の可能性は大きく広がるのではないでしょうか。
土地探しという領域は、建築のスタート位置ですから、これがうまくいけば、フィニッシュまで走り抜けられる可能性が高いわけです。
これからの建築家は、「土地探し」というデザインをどのように料理していけるか。
それが土地取得者を最終的に満足させる鍵ではないかと思います。
