- 杉浦 繁
- Atelier繁建築設計事務所 代表
- 愛知県
- 建築家
対象:住宅設計・構造
いやはや・・
少し前に消臭剤なんかで家中が臭くなったって「におい」の話を書いたのですが・・
これからは消臭剤や芳香剤や洗剤や柔軟剤、なんてもんじゃないのだそうです。
衣料用柔軟剤から火が付いた日用品の香りブームが、掃除用品にも広がり始めたのだそうです。
勘弁してよ・・
と、思っているのは私だけなのでしょうか?
「におい」というのは非常に難しい・・
人によって良い香りと思うか臭いと思うかは人それぞれ感じ方が違う。
どの程度までの香りの強さが良い香りなのか耐えられないのかは人それぞれ。
あなたにとって良い香りは私にとって耐え難いのかもしれない・・
しかも「におい」は逃げようがありません。
いくらなんでも昨今は何でも香りがきつすぎているような気がします。
で・・
建物の「におい」です。
建物には「におい」があります。
好むと好まざるとにかかわらず・・
あなたの家にも「におい」があるのです。
これは間違いありません。
その建物の持つ「におい」には2種類の物があります。
一つは建物に使っている材料自体が「におい」を発している物。
そしてもう一つは中に住む又は使う人の生活によって発生する「におい」です。
その建物に使われた材料による「におい」・・
たとえば木の「におい」・・
桧の家の新築時の「におい」などは本当に気持ちの良い「におい」です。
桧に限らず様々な樹種の木の香りという物に人は惹かれます。
タタミのイ草の「におい」も気持ちの良い香りです。
日本人ならこれらの「におい」が嫌いな人はまずいないでしょう。
何しろこれら「におい」を求めて桧の家を建てたがる人がたくさんいるのです。
アロマ効果のある香りを最初から付けてある壁紙なんてのもあります。
好き嫌いはあるのでしょうが、好きな人にはお勧めです。
ただ、そんないい「におい」ばかりではありません。
困った臭いもある。
たとえば、ホルムアルデヒドの臭い。
といえば今はもうだいぶん減りましたが・・
それでもまだ諸々には使われています。
そう・・
あのシックハウス症候群を引き起こす材料の臭いです。
臭いだけでアレルギーを引き起こしてしまう人もいらっしゃいます。
シンナーなどの溶剤の臭いなんてのも建築現場では当たり前にあります。
昔に比べれば随分とにおわなくなってきていますが・・
それでもゼロではない・・
鉄骨なら溶接の臭いが残ります。
コンクリートにも何となく臭いがあります。
内装に使う材料にも糊・接着剤にもペンキにも皆々何かしらの臭いがあります。
これらも良い「におい」とは言い難い。
みーんな少しずつ臭うので・・
それが残ってしまうことがままある・・
それが新築の家の「におい」です。
良い香りなのか悪い臭いなのかは別にして・・
それが桧なら良い「におい」。
ホルムアルデヒドなら病気になってしまう人がいる。
でも、どちらも同じ建築の「におい」です。
ですが・・
建物の新築時の「におい」もしばらくそこに住んでるうちに消えてしまいます。
新車の「におい」がしばらくすると消えてしまうのと同じこと。
元々の材料がずっと「におい」を発する材料でない限りいつかは材料の発する「におい」はいつか消えてしまいます。
そこで・・
それが良い香りならいつまでも続くようにしたい・・
それが嫌な臭いなら出来るだけ早く消えるようにする・・
そういうことなんですね。
「におい」にしてみたらたまったもんじゃありません。
どっちも「におい」なのにお前は好きだからもっと香り強くなれ強くなれ!
あんたは嫌いだからすぐ消えろ消えろ!
それが同じ家の中に共存しています。
しかも、それが人それぞれに感じ方が違う・・
誰だっていくら好きだからと言って、むちゃくちゃに強い香りにすればやはりそれは不快になります。
そこが難しいところです。
そこそこがいいのよそこそこが。
何事も、過ぎたるは及ばざるが如し・・
なんじゃないのかな?
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