日本の家から和室が無くなりつつあります。最近は和室と言っても畳が敷いてある洋室の様な部屋で、和室の美しさが見られません。
壁の造り方には真壁造りと大壁造りがあり、真壁は柱を見せる様に壁を仕上げます。大壁は柱を壁の仕上げ材で覆ってしまい、柱を見せなくする工法です。
大壁造りは柱を見せないので、桧の節無しである必要がありません。構造的に問題が無ければどの様な柱でも使えます。真壁は柱を見せますので、節のある柱は敬遠されます。その分割高になるのです。
また、真壁は壁の厚みが、大壁に比べ薄くなるので、断熱効果も不利になります。
それでも日本人からゴロゴロと寝転べる空間を全く取り去る事は出来ません。何故ならば折角フローリングを敷いても、椅子の生活をする人は少なく床の上に直接座る人が多いのです。無垢フローリングが好まれる理由の一つは、寝転がった時の肌触りが良い為です。
今は洋室に畳を敷いただけの、不恰好な和室ですがリビングにフローリングの代わりに敷き詰められる様なファッショナブルな畳が登場するでしょう。カーペットを敷き詰める様な感覚で畳を敷き詰め、冬に裸足で歩いても冷たく感じないリビングがそのうち登場するでしょう。
このコラムの執筆専門家
- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
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