家の使い方を知らない日本人 - 新築工事・施工全般 - 専門家プロファイル

松岡 在丸
松岡在丸とハウジング・ワールド 
東京都
建築プロデューサー

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閲覧数順 2024年04月26日更新

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家の使い方を知らない日本人

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日本人の多くが、「家に対する期待」を抱いていない、と感じることが多々あります。


「食事をして風呂に入って寝る」「休日にはテレビやDVDを観てのんびりする」「家に居てもつまらないので外出する」「友達と会うときは飲み屋で」


こんな日常が一般化していることに疑問を抱くことはないでしょうか。


家というのはもっと可能性があります。食事や入浴はもっと優雅で楽しいものにすることができます。テレビやDVDも大画面・大音量で楽しむことができるようになります。外出してもお金が出ていくばかりなので家で趣味を嗜みたいという期待に応えることもできます。友達を誘ってホームパーティーを楽しむこともできます。


しかし、どんな家を建てるかによって、こうした家の使い方ができるかどうかが左右されてくるということは言うまでもありません。


断熱性、遮音性、気密性、そして空間的な広さ、明るさ、空気質(湿気や化学物質臭)など、家の中で様々なことを快適に楽しむために必要な「家の仕様」というのがありますが、その多くは、数値化して見せられることはあまりありません。


家づくりには、こうした「数値化できない部分」のバランスというのが大切です。実際に体感してみなければわからない、実際に一年以上住んでみなければわからない、そうした視野の広さと先見の明が必要なのです。


ところが、狭くて暗い家にしか住んだことがない、マンションにしか住んだことがない、という人が、上記のような楽しみ方ができる家づくりができるか、というと難しいでしょう。経験がないからです。海外に長く生活していた方々の中には、取り入れた海外のライフスタイルを反映させた家づくりができるという場合も少なからずあるようですが、設計・プランに「家を楽しく使う」という目的を反映させるのは、経験のない人間には難しいものなのです。


ですから、日本だけに目を向けるのではなく、海外において「愛着を持って住まわれている家」というのがどんな仕様になっているのかを客観的に調べてみることは有益でしょう。実際に見てみると、日本の一般的な家屋とは全く異なる仕様が目立ってきます。たとえば、玄関とリビングの位置関係、ダイニングとリビングの関連性、開口部のつくり、標準的な部屋の広さ、そして採光。


家づくりで失敗したくない! とお考えなのであれば、まず、世界中の「いい家」に目を向けましょう。決して、一建築事業者の持論を押し付けられることがないように注意していただきたいと思います。建築家であっても、必ずしも「いい家」に住んでいるとは限らないわけですからね。


あなたにとって「いい家」とはなんでしょうか? それは、あなたにしか住めない家でしょうか? それとも、あなたが自由にカスタマイズできる「誰もが住みたいと思う快適な家」でしょうか?


それには、人間という生き物が、どんなことを喜びとし、どんな楽しみ方をし、どんなライフスタイルを送ることがもっともナチュラルなことなのか、その中で自分と家族の必要を満たすためにできることは何なのか、ということを考えて、家の使い方を吟味してみることが重要なんですね。


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