簡易査定、依頼の仕方

不動産屋に問い合わせるのはやはり敷居の高いものなんでしょう。

先日、電話で査定の依頼がありました。

「何丁目何番地の相場を教えて」

というもので、

それ以外の情報は一切教えてくれません。

「詳しい場所は教えない」

「折り返しの連絡はいらない。今この電話で教えて」

私としては、せっかく縁あってご連絡頂いたからには、

少しでも有意義な情報をお伝えしたいという気持ちはあるんですが、

正直それだけの情報だと相場も何もお答えすることが出来ません。

しかし、上記のように突然電話で聞いてきて、

その場で価格を聞こうとする

「簡易査定」

を依頼してくる人って意外に多いです。

簡単な査定をするにしても、

物件の場所位は特定しないと出来ないですし、

突然の依頼だとすると、

自分の仕事を一度ストップしなければならず、

少なくとも30分程度の時間が欲しいのが正直なところです。

ちゃんと調べたのちに、

折り返しご連絡を差し上げたいのですが、

そうするには当然、ご連絡先を教えて頂かなくてはいけません。

しかしお客さんからすると、 

「不動産業者に物件を特定されたうえに、

電話番号も聞かれるなんて・・・」

と、やはり難易度が高いんでしょうね。

それはよ～く分ります。

お客様の迷惑なのも顧みず夜討ち朝駆け、

イケイケドンドンでやってきた不動産業者の負の遺産なので、

自業自得なんですけどね。

そこで、これからそうした簡易査定をお願いしようとする人へアドバイス。

少なくとも以下にあげる物件の情報位伝えないと、

不動産業者もたいしたアドバイスが出来ず、

ただの厄介なお客さんとしての扱いを受けてしまいますから、

要注意ですよ。

＜マンションの場合＞

・マンション名

・階数

・角部屋かどうか

・広さ

マンションは簡単です。

上記の内容を伝えるだけでその場で大体の価格は分ります。

＜戸建て・土地の場合＞

・住所

・地型（土地の形）

・間口の長さ

・前面道路の幅

・私道か公道か

・土地の広さ

・（戸建てなら）建物の広さ

・（戸建てなら）構造

・（戸建てなら）築年月

住所を伝えるのはどうしても抵抗があるかもしれません。

しかしマンションと違って、

土地と戸建ては場所が特定できなければ精度ある価格は出せません。

不動産業者にパーソナルな情報を伝えるのは不安かもしれません。

だけど、 

信憑性のない金額を聞いても意味はありますか？

どうせ勇気を振り絞って問い合わせをしたんですから、

簡易査定とはいえ、

それなりに信頼できる価格を聞いた方が良いですよね？

以下は連絡先を教えてもいい場合と、

教えたくない場合の対応の違いについて。

＜ケース1．連絡先を教えても構わない＞

住所を教えるだけで事足ります。

あとは不動産業者が調べてくれますから、

折り返しの連絡を待っていましょう。

＜ケース2．連絡先を教えたくない＞

あくまでその場で教えて欲しいというのであれば、

調べるに必要なことは、

不動産業者が聞いてきてくれると思いますが、

住所以下の情報は予め把握しておくのが良いでしょう。

いかがですか？

有益な情報を得るには、

それなりの出費が必要なのはどこの業界でも当然です。

「無料査定」

とうたっていますが、

金銭がかからないということでは無料かもしれませんが、

実際には依頼する人の住所や連絡先、

物件についての情報を報酬として提供するということです。

そのように考えて頂ければ、

査定において住所や連絡先を提供しなければいけない必要性も、

ご理解頂けるのではないでしょうか？

今回お問い合わせ頂いたお客様には、

「物件の特定も出来ない、

そのような限られた情報では査定出来ません」

「ざっくりとしたなんの根拠もない価格を提示することは、

プロの仕事ではないし当社では行っておりません」

「申し訳ありませんが、他の業者さんを当たってください」

文章にすると辛辣ですが（笑）、

もう少し言葉尻を丸くして、

失礼のないようやんわりとお断りしました。