音楽という魔法にかけられたルーミー　１２

音楽という魔法（音楽之友社刊より引用）

神につながる道はたくさんある。

わたしはそのうち、音楽と踊りを選んだのだ。

～ルーミー(ペルシャの詩人）～

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神につながる道とはしらずに、僕は歌を選んだ。

よく僕が人に話す「音楽との初対面」に関しては、色々なコラムに

書いてきた。それを引用してみよう。

「さて、始まった大学生活では、まずはサークル活動選び。

高校生活のすべてをささげた柔道を続けることは、もう不可能な状態でした。

実は、高校２年生の時、練習中に腰を痛め、３週間の入院生活を体験していましたから、大学の柔道部ではとても使い物になる身体ではなかったのです。

サークル選択にあたっては、汗臭い体育会系の経験しかない私にとって、大都会の洒落た文化関係サークルはどう考えてみても高嶺の花に思えました。

所在無くキャンパスをうろついていた時に、とうとう人生を決定付ける出来事にであってしまいます。

桜の花の下から響いてくる美しいハーモニー。

ひところ流行った言い方をするならば「ビビッ！」と来た瞬間でした。

そちらのほうに目をやると、美しそうな娘さんたちと、なんだかひ弱そうな青年たちが声を合わせて歌っておりました。

自分でも恥ずかしいくらい、その情景に頬が赤くなったような気がします。

「これだ！」

汗臭い青春とはおさらば！明日からは女の子たちの隣で、一緒に歌を歌うんだ！

そう決心してからの行動は異常に速かったようです。

その場で入団申し込みをし、翌日からはもうすぐに、薄暗い地下にあった部室の住人となりました。」

ここから僕の歌い手人生は始まってしまいました。

以来、６５－１８＝４７。47年間も歌い続けてきました。

神につながる道だったのか、家族を不幸にする道だったのか、いまだに判然とはしないが・・。

魔法にかけられてしまったことだけは確かのようです。