- 阿妻 靖史
- パーソナルコーチ
対象:夫婦問題
- 佐藤 千恵
- (離婚アドバイザー)
- 阿妻 靖史
- (パーソナルコーチ)
人間関係には「解なし」があることを前提に取り組むこと。2
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恋愛セラピストのあづまです。
「人間関係には「解なし」があることを前提に取り組むこと。1」の続きです。
「解なし」の可能性を受け入れることが、本当の課題
相手が悪いのでなければ、自分が悪いと考えてしまう思考の根底には、問題は必ず原因があって、解決も出来るはずだという考え、いや、もう少し正確に言えば、解決策が必ずあってほしい、という願いがあります。
別の言葉で言えば、希望を持ちたい、ということです。
私は今から「希望を捨てなさい」に近いことを言いますので、覚悟して読んで下さい。
実は、人間関係には、お互いのメンタル体力の状態と、置かれている経済状況、人間関係の状況を考慮すると、その関係に未来はないという関係があると私は考えています。
この中で特に、お互いが相手との関係を修復するための「意欲」を持ち、継続的に解決のための行動をするための「メンタル体力」を持っていることが大事だと考えます。
それがないとき、それは、方程式で言えば「解なし」に相当する状態です。二人が一緒にいても幸せにはなれない、手放した方がいい、そういう状態もあり得るのです。
ちょっと、具体的にお話しをします。
人間関係の問題を解決するときに、こんな風にカウンセラーから言われることがあると思うのです。
夫が浮気した。 浮気の事実を突きつけて、別れさせた。 その後、夫婦関係がギクシャクしている。 夫は「もう別れたんだから文句言うな」という姿勢。 妻(この人が相談者)は、夫のその態度が気に入らない。 「自分で問題を起こしたくせに、私の辛い気持ちを受け止めることすらしてくれない」
そして、妻はカウンセラーの元へ。
で、カウンセラーが、
「相手は変えられないんですよ」
「あなたが、ご主人さんにどう愛情を注ぐかを考えてみて下さい」
…あまりの言葉に、妻はショック。
「私が悪いなんて…」
カウンセラーも言葉が足りなかったと思うのですが、
行動の指針自体は、間違っていないと私は思います。
つまり、
夫は、妻に不満が本当はあって、でも言えなくて、浮気に逃げた。
(これは、確かに良くない態度ではあります。)
妻は、浮気でショックを受けて、夫に気持ちをぶつけたいと思っている。
まして、夫の気持ちを受け止めて、愛情を注ぐなんてとんでもないと思っている。
お互いに、自分は依存したいけれど、相手に愛情を注ぐなんて出来ないという状態に陥っているんですね。
解決のための意欲も、メンタル体力も失われている状態です。
もしこういう状態を解決できないのであれば、まさにこれは、夫婦修復の方程式でいうと「解なし」の状態です。
そして、可能性がある、ひとすじの希望の光があるとすれば、何とかしたいと行動を起こしている妻の側の行動を変えていくこと、のみなのです。
私は以前「【ココヘル367】苦しさと共に生きる2」で「人に汚された服を自分で洗うようなもの」と書きましたが、
たとえ相手に80%原因があっても、本当にほしい結果があるのなら、自ら行動を起こしてみることが大切なのです。感情的に行動して、あとで後悔するよりも、本当にほしい結果に向けて、現実主義になって行動することが、大事なのです。
でも、これを受け入れるためには、お互いに意欲がなくて、メンタル体力も失われているとき、この関係は「解なし」になっている。あとは壊れるだけになってしまう、そういう可能性もあるという、
一種の「あきらめ」を受け入れる必要があります。
ここが難しい。
相手を責めながら、まだ希望があるはずだと思い続ける方が、そのときはむしろ楽かもしれません。
「人間関係には「解なし」があることを前提に取り組むこと。3」へ続きます。
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