- 寺岡 孝
- アネシスプランニング株式会社 代表取締役
- 東京都
- お金と住まいの専門家
-
03-6202-7622
投資マンションでも競売になってしまう。
ちょっと怖い話だ。
購入した際には、まさか競売になるとは思っていない。
しかし、購入時の価格と賃料、ローンの借入額によってはこうしたケースは出てくる。
競売の申し立て人は銀行だ。
この銀行、つまり債権者はいわゆる投資マンションを専門に融資している金融機関だ。
買うときは、必ずマンション販売にローンを融資する金融機関がセットになっている。
しかも、投資用にもかかわらず団信もついている。
この団信が生保代わりになるという。
こうした販売の体系で融資した銀行が競売の申し立てをする。
表現は悪いが、儲け話をもちかけた側が借金が払えないということで競売に出す格好。
何とも不思議な感じだ。
競売になるということは、その理由は定かではないが、債権が払えないということだから不動産の投資という観点から見れば、はじめから自己資金の持ち出しがあって無理があったかもしれない。
この事案、
当初の借り入れ額は3,000万円あまり。
30年返済で年利3%あまりで計算すると月に12~13万の返済になる。
これにプラスして管理費等が毎月オーナーの負担になる。
これに対して、現在の賃料は10万円を少し下回る。
これでは、毎月2、3万の持ち出し。
年間では、なんだかんだで50万近くは自己資金の持ち出しになっている可能性が高い。
この状態が数年続けば状況は厳しくなる。
とりあえず入居者は居住中であるが、空室が続けばますます厳しい。
また、こうした物件の所有者は必ず複数の住戸のマンションを持っている。
おそらく、他の物件も焦げ付きの可能性はあるだろう。
競売の開札は9月の初めだ。
今後の経過を見て行きたいと思う。
こうした事案を聞くと、いよいよババ抜きが始まったなという印象を受ける。
数多くのババがでないうちに収支の悪い物件は売る方が得策かもしれない。
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