東日本大震災後1年経過したあたりから、マンションや戸建住宅を購入される方から相談を多く受けています。
大抵の場合、物件のエリア、価格帯、通勤距離などを気にされています。頭金や今後の資金計画は?と聞くと意外にあまり
細かな事にはこだわらない方がいます。
いまだに、新築分譲マンションの広告には、頭金ゼロを想定した月々のローンの返済額をのせて、消費者の注目を得よう
としています。
※頭金の重要性について、説明します。
住宅を購入する際、頭金をいくら準備できるかが、ローンを設定された方の返済プランが大きく変わります。
頭金は住宅価格の2割以上は用意した方が良いと考えています。住宅購入の際には物件価格の5から10%程度の諸費用も必要になります。当然、引っ越し費用も必要です。
・頭金2割以上用意できれば、住宅ローンの選択肢が増えます。
・その後の借換え時に物件価格が下がっている場合、頭金ゼロのフルローンの場合、担保割れして借換えが難しくなります。頭金が多ければ毎月の返済額も少なくなります。
ではなぜ2割の頭金が必要か簡単に説明します。
3500万円の新築マンションを購入、返済期間35年、金利を3.5%と想定した場合、
・頭金なしのフルローンの場合、3500万円を借入
→ 購入後10年売却を検討し、売却価格が2500万円とします。
融資残高がまだ3,000万円以上残っています。売ればマイナス500万円になります。
→ ローンの借換えの場合
担保割れしてしまいます。ローン残債3,000万円> 2500万円 利用できるローンが限定されることに
・頭金2割用意し、2,800万円を借入した場合
→同じく10年後に売却検討、残債は約2,400万円 売却価格2,500万円、何とか、マイナスにならずに売却
→ローンの借換えの場合
より有利なローンを選択できる可能性が高まります。
低金利といわれていますが、頭金によっては返済プランがかなり変わってきますので、住宅の購入時にはこういったことにも慎重に考えましょう。
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