こんにちは、石川です。早速ですが、今日のお話を。
前回は終身保険の基本をお話しました。
いくつで亡くなっても保険金が下りるのならば「お葬式代」と考えればスッキリしますよ、ということでした。
今回は少し違う視点から考えましょう。
終身保険には「解約返戻金」というものがあります。
これは「掛け金の一部がたまっている」とお考えください。
例えば全部で保険料を100万円支払った場合、この保険の内部には60万円がたまっている、というふうにです。
つまり、終身保険をある時点で解約すると、この貯まっている部分が支払われます。
このお金がいわゆる「解約返戻金」と呼ばれるものです。
ただし、このお金は保険を全て、または一部解約しないと支払われません。
(貸付を受けるという方法もありますが、またの機会にお話します)
と、いうことは終身保険を利用してお金を都合しようと思うと、
「契約していた保険がなくなる、または保障が小さくなる」
ということを意味します。
たまにあるのが
「死亡してもお金がもらえるし、貯金にもなる。二つトクをするんだ」
というメリットの誤解です。
死亡で遺族に支払うか、解約して自分がもらうかどちらかですよ、
というのが正しい説明です。
かつて、予定利率がいい時代には、保険金額1000万円~1500万円ほどの終身保険がよく利用されていました。何せ保険料が安かったんです。
この保険金額1000万円~1500万円を今、終身保険で準備すると、当時と比べると、高い保険料になります。
逆に単純な死亡保障を掛け捨てで準備するだけならば、今はたくさんの商品や考え方があり、昔よりは組み立て方法の選択肢がいっぱいあります。
つまり、安い掛け金で保障を準備するには、
掛け捨ての死亡保障のほうが保険料とのバランスはいいんです。
では、解約返戻金を生かす終身保険の利用にはどんなものがあるのでしょうか?
これは、今後の「保険活用編」でお話します。
今日の教訓。
「終身保険で解約返戻金の活用を考えるなら、私のような保険のプロと相談の上に決めましょう」
「遺族への大きな保障が必要ならば、掛け捨て商品を上手に使いましょう」
ではまたお会いしましょう。
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