10.深夜労働と手当 - 社会保険労務士業務 - 専門家プロファイル

佐藤 広一
さとう社会保険労務士事務所 特定社会保険労務士
社会保険労務士

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対象:人事労務・組織

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10.深夜労働と手当

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給与明細書から労務管理を紐解く
 深夜労働とは、原則として午後10時から翌日の午前5時間まで(一部例外あり)に行われる労働をいい、深夜業は人間の有する1日単位のリズムに反して働くというその特性から健康へ影響を及ぼす可能性が高いとの指摘があり、深夜労働に対しては法律的にも様々な優遇措置が設けられています。

 まず給与についていえば、労働基準法第37条第3項では、深夜労働に対して「通常の労働時間の賃金の2割5分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない」と規定しています。例えば、1時間あたりの通常の賃金が1,000円の場合は、1,000円×0.25=250円となり、250円の割増賃金を上乗せして支払うことになります。

 これが法定労働時間を超えて引き続き深夜に労働を行うような場合には、時間外労働と深夜労働のそれぞれの割増率が抱き合わせで適用され、「時間外労働(25%割増)+深夜労働(25%割増)=50%割増」となります。
したがって、先の例では1時間あたりの単価が1,500円ということになります。

 同様に、休日労働が深夜に及んだ場合も、休日労働(35%割増)+深夜労働(25%割増)=60%割増となり、割増単価は1,600円となるわけです。

 また、労働安全衛生法では、夜間に労働者に睡眠を与える必要のあるとき、又は労働者が就業の途中に仮眠することのできる機会があるときは、男性用と女性用に区別して、適当な睡眠又は仮眠の場所を設けなければならないことが義務付けられています。

 さらには、深夜業を含む業務に従事させようとする労働者を雇い入れる際、又は深夜業への配置替えを行う際及び6ヵ月ごとに1回、定期に、医師による健康診断を行わなければならない、などの安全配慮規定が設けられています。