- 沼田 順
- Office JUN 代表
- 兵庫県
- ファイナンシャルプランナー
対象:住宅資金・住宅ローン
- 伊藤 誠
- (ファイナンシャルプランナー)
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2回に渡ってお送りしている、平成24年(2012年)の住宅ローン金利動向。前回の変動金利に引き続き、今回は長期固定金利の動向についてお送りします。
まず簡単な仕組みからです。長期固定金利は各銀行が債券市場という日本国債を売買する市場から資金調達します。
しかし、債券市場も市場ですから、有利に資金調達出来るときもあれば、そうでないときもあります。その代表的な指標となるのが、一番市場規模の大きい10年物の日本国債の値段です。そして、この値段の利回りを長期金利と呼ぶのが一般的です。
日本国債も債券ですが、債券というのは基本的に利回りが決まっているので、日本国債の値段が上昇すれば相対的に利回りは低下、下落すれば利回りは上昇ということになります。
そして、世界の景気が良くなれば、日本国債よりも儲かる、株式市場にお金が流れますので、日本国債の値段が下がり、金利は上昇、景気が悪くなれば、日本国債の値段が上がり、金利は低下します。
さらに、これ以外に日本国債の値段が変動する要因として、日本という国の信頼がなくなった場合、日本国債を持っていては危険ですから、日本国債が売られ、金利が上昇します。(イタリアやスペインの例です)
平成24年(2012年)もユーロ諸国の動きや格付け会社の格付けがどうなるかによって、日本国債の値段そして長期固定金利の水準にも影響してくることが考えられます。
日本にはユーロ諸国以上の政府債務があるにもかかわらず、これだけ長期金利が低位で安定しているのは、外国人がほとんど保有していないことと、消費税の引き上げ余地があるからですが、平成24年(2012年)は消費税の引き上げ問題も政治課題として上ってくることを考えると、その行方にも注目する必要があります。
以上を踏まえますと、長期固定金利は上昇要因、下降要因様々ありますが、平成23年(2011年)の12月上旬のユーロショックの時でも、日本の10年物の長期金利は1.500%までしか上昇しなかったことを考えると、中心的な長期金利の水準は1.000%近辺かと考えられます。
ここから、買い要因が出れば低下、売り要因が出れば上昇と考えられますが、この水準でも長期固定金利は過去と比較して、充分に低い水準に設定されるものと考えられます。
具体的な数字は出しにくいですが、モーゲージバンクのフラット35の水準が3.000%を大きく超える可能性はかなり低いでしょう。
以上、2回に渡ってお送りしましたが、平成24年(2012年)も、無理のない資金計画の範囲内で、この低金利をうまく活用して頂けたらと思います。
沼田 順(CFP(R)認定者・1級FP技能士、宅地建物取引主任者、住宅ローンアドバイザー)
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