- 市村 光之
- キャリアリーブス 代表
- 東京都
- キャリアカウンセラー
対象:キャリアプラン
- 宇江野 加子
- (キャリアカウンセラー)
- 冨永 のむ子
- (パーソナルコーチ)
ここまで、ライフ・キャリアの発達段階について、キャリア理論の側面から概観しました。今回は今を生きる社会人の皆さんが、どのようなキャリア課題や悩みを抱えつつ働いているのか、という現実の側面から説明を試みます。
これから説明する内容は、筆者が運営するキャリアコンサルティングとキャリア情報のサイト「キャリアリーブス」のホームページのアクセス状況を分析した結果です。Netからのワード検索によるアクセスを過去1年さかのぼり、アクセスの上位500ワードを抽出、分類してみました。
社会人人生の中でどんな人にも少なくとも1度か2度はキャリアの転機が訪れます。「転機」とは、大きな転換のきっかけになるタイミングということです。その際、自分のキャリア形成に悩む社会人がどのようなキーワードで検索したかを分析することで、その人たちの悩みのありかが分かるのでは、と考え調べたものです。
「キャリアプラン、不安」のように2~3のキーワードの組み合わせでアクセスした方が大半ですが、それらをさらに分析して、傾向として分かったことを報告します。
キャリア形成の問題意識
500キーワードのうち、32.3%が「キャリア」というワードを軸にしたアクセスでした。「キャリアプラン、将来」、「キャリア、棚卸」、「キャリア、強み、弱み」、「キャリアプラン、例、書き方」、のような組み合わせです。つまり、自分の将来に不安を感じ、またはキャリア形成に問題意識をもち、自分の強み・弱みなどからキャリアプランを考えるヒントを求めているのです。自分のキャリアに課題や行き詰まりを感じている方が、それだけ多いということになります。
「30代、キャリアプラン」のように自分の世代を特定したワードの組み合わせで検索した方、つまり世代特有の課題を感じていらっしゃる方が15.7%いらっしゃいました。内訳は「20代」というワードを含むアクセスが14.0%、「30代」が19.9%、「40代」が52.1%、「50代」が14.0%です。40代の方々が、世代特有のキャリア課題を切実にもっていることが窺えます。
●20代のキャリア・キーワード
まず20代のキャリア課題として、多かった検索ワードは、「キャリアプラン」「キャリアチェンジ」「転機」などです。つまり、職業に就き経験やスキルを積みながらも、仕事のやりがいや自分の適性を考え、このまま仕事を続けるか、思い切って転職するか、自分のキャリアプランに悩んでいるという状況が読みとれます。
大学生から社会人になった方々は、自分の希望や夢と、自分の能力と、そして採用企業側が求めることとの間で悩みながら、社会人としてのキャリア形成の道を歩み始めます。20代半ばから後半にかけての時期、仕事を通じて自分の適性や仕事の遣り甲斐と、現実の仕事にギャップを感じることは多いと思います。そのギャップを乗り越えて仕事を続ける人、思い切ってキャリアチェンジを図る人、それぞれの判断になります。
(次回に続く)
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