ライフ・キャリア 10:キャリア・アンカー - 人生設計とキャリア - 専門家プロファイル

市村 光之
キャリアリーブス 代表
東京都
キャリアカウンセラー

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閲覧数順 2024年04月18日更新

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ライフ・キャリア 10:キャリア・アンカー

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キャリア形成

終身雇用、年功序列という、戦後日本の経済発展を支えてきたシステムが崩れると共に、私たちのキャリア形成のありかたは多様化しています。この「多様化」というのが曲者です。かつては、キャリアパスが企業内での出世という単線レールであり、自分のキャリア形成を出世競争という視点以外では、あまり考える必然性はありませんでした。今や、企業内のキャリアパスは複々線化し、またはなくなりつつあるだけでなく、いつリストラされてもおかしくない状況です。こんな時代に、自分らしい生きかた、またはキャリアを構想するにはどうすればよいのか、というのが今回のテーマです。

前出のシャインは、個人のキャリアのあり方を導き、方向づける軸を「錨」にたとえて、キャリア・アンカーという概念を提唱しています。何のために働くか、何を遣り甲斐と感じるか、など社会人人生において自己実現の拠り所となる価値観が誰にもあり、その錨を軸と言いますか、「働く動機」にしてキャリア形成を図る考えかたです。言い換えると、キャリア形成やキャリアを選択する際に、自分にとって最も大切で、どうしても犠牲にしたくないものがそれに当たります。

・才能、能力

・動機、欲求

・価値、態度

この3要素が統合された「自己概念」によって、キャリア・アンカーは少しずつ組織化されます。個人にとって、キャリア選択の場面に直面して初めて見えてくるものであり、キャリア発達は、これらの要素をベースに「自己概念にキャリアを統合するひとつのプロセス」と、シャインは定義しています。

シャインが考えるキャリア・アンカーには、以下の8つがあります。

1) 専門コンピタンス

企画、営業、エンジニアリングなど、特定分野で能力を発揮することに幸せを感じる。

2) 経営管理コンピタンス

組織の機能を結びつけ、対人関係を処理し、集団を統率することに幸せを感じる。

3) 安定

仕事の満足感、雇用の保証、年金、退職金など経済的安定を得ること、1つの組織に勤務し、忠誠・献身。

4) 起業家的創造性

新しいものを作りだすこと、障害を乗り越えること、リスクを恐れず何かを達成する。達成したものが、自分の努力によるもの、というのが原動力。

5) 自律(自立)

組織に縛られず、自分のしかたで進める。仕事のペースを自分の裁量で決める。

6) 社会への貢献

暮しやすい社会の実現、他者の救済、教育など価値あることを成し遂げる。転職してでも、自分の関心分野で仕事をする機会を求める。

7) 全体性と調和

個人的欲求、家族の願望、仕事とのバランスに力を入れる。自分のライフワークを求める。

8) チャレンジ

困難な課題の解決、手ごわい相手に打ち勝とうとする。競争に遣り甲斐。目新しさ、変化、難しさが目的。

シャインは1978年に5までをキャリア・アンカーとして分類しましたが、後に6~8を付け加えました。仕事やそれにまつわる経験・スキルだけでなく、私生活や社会との調和など、《ライフ・キャリア》の観点から働きかたを捉える重要性が高まった故でしょう。こうした自分自身が大切にしているキャリア・アンカーと、所属する組織や自分の役割からくるニーズ、さらには社会との調和がキャリア形成には不可欠です。

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