- 田中 伸裕
- 田中伸裕建築事務所 代表
- 岐阜県
- 建築家
対象:住宅設計・構造
断熱化をすると、なぜ快適性を感じ、省エネにつながるのか?
それに影響を与える3つの室内の温度環境を探る旅の第2弾
2:上下温度差
足元(床面付近)とそれより上部の温度差
空気は、温まるほど軽くなり上方へ向かい、冷えるほど重くなり下方へ向かうという性質があります。
先ほどの、体感温度で出ていた「天井・壁・床・開口部の表面放射温度」の影響を受け室温にも温度差が生じ空気が対流します。
断熱性能が低い住宅では、
夏・・・エアコンで冷やされた空気は暖まり、暖かい空気として上方へ溜まる。
冬・・・床付近に溜まった冷気の温度が低すぎて、空気の層ができてしまい温風で撹拌できない。 と言うことになります。
逆に断熱性能が高いと、空気の層が足元から上方へ移動し撹拌しやすくなり、上下の温度差が小さくなります。
上下温度差が少なくなればなるほど、頭温足寒から頭寒足温へとなっていくのです。
最近では、エアコン側で撹拌できるような機器も出てきていますが、実際に人が住むとなると
家具や他の電化製品などが風を邪魔するので、エアコン各社のシミュレーション通りになりにくい部分があります。
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