- 宮本 陽
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そうだったの?意外なカメラの知識:ズームを望遠側にすると画質が低下する?
【コンパクトデジカメのズームを望遠側にすると画質が低下するでしょうか?】
望遠側(遠くのものを大きく写す)で撮影すると画質が低下するから広角側で撮っている。という方がいらっしゃいました。その結果、写したい肝心の被写体が中央に小さくしか見えず、周囲には希望しないものが数多く写っている...。何を撮りたいのか自分でも判らない...。
なるほど。これでは本末転倒ですし、撮影する楽しさ自体がスポイルされてしまいます。実際のところどうなのでしょうか?「コンパクトデジカメにおいて望遠側にすると画質が低下するか?」について考えてみたいと思います。
1.望遠側は「電子ズーム」で解像度が落ちている場合がある
これはコンパクトデジカメでは多く採用されていると思われますが、通常のレンズの守備範囲を超えて更に拡大(=望遠にシフト)できるように、画面の中心部分を画像処理で切り抜いて拡大する機能があります。多くの場合は「電子ズームあるはデジタルズーム」等の呼び名で、光学ズームを超えて拡大できることを謳っています。これは、「画面の一部分を切り取り拡大している」ので確実に画質は低下します。画質低下を避けるためには「電子ズーム・デジタルズームをOFF」の設定にし、光学ズームの範囲を超えて拡大しないようにしておくとよいでしょう。
2.望遠側であるためブレが大きくボケた画像になっているケース
通常、手持ちで撮影するケースが多いと思われます。画角が狭い望遠域では手ブレがより増幅されるために、ブレが目立つ写真になっていることが考えられます。その意味では、望遠になるほどブレが目立つ=画質低下と言えるかもしれません。三脚固定等の対策を行えばこの原因による低下は避けることができると思われます。
3.レンズ設計が甘く、元々望遠側が綺麗に写らないケース
これはなんとも判断がつきませんが、ズームでカバーする全域で、すべて同レベルの画質が約束されるものではない可能性があります。広角から望遠まで均質な性能を確保するには高度な設計と同時にそれ相応のコストがかかるはずです。こうした部分が画質に影響している可能性もあるかもしれません。コスト削減を最優先として設計されたコンパクトデジカメでは起こりうる事象と思われます。
このような要因が考えられるのではないでしょか。実際には、どの程度の画質低下があるのかはそのカメラをお使いになる方の判断になりますし、種々条件で検証をして確認することが大切かと思います。
よく考えておきたいのは、画質低下があるから望遠側を使わない(使えない)、というのは写真として見た場合にはレンズ焦点距離による描画特性が変わるため、仕上がりの印象が変わってしまいます。これは避けなくてはなりません。
私自身は、2.の要因が大きいのではないかと感じました。やはり、両手でしっかりホールドするというブレ対策はきっちり行いたいものですね。
(写真はイメージサンプル:中央部分を拡大しているため画質低下していることが判る)
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