- 宮本 陽
- And EM アンド・エム 代表
- 兵庫県
- カメラマン
対象:写真・ビデオ
- 宮本 陽
- (カメラマン)
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そうだったの?意外なカメラの知識:レンズフードは飾りではないんだけれど
【レンズフードって知ってますよね?】
えっ?と思う意外な質問が寄せられることがあります。その一つに「レンズフード」の使い方について、というものがあります。
レンズフードとは、レンズの一番前(先端部分)に取り付ける筒状あるいは花形の覆い、といえば判るでしょうか。このレンズフード。いったい何の目的で取り付けるのでしょうか?それと、どのような向きで取り付けるのでしょうか?多くの方はご存知だと思うのですが、使用目的を理解せずに取り付けている方も実際にいらっしゃいます。
レンズフードは斜め方向からの強い光線を防ぐものです。屋外などでは斜めから太陽や強い光が差し込むと、画面内に光の屈折による光源が写り込むことがあるため、これを防止する意味で装着します。「帽子のつば」と同じような日よけだと思うと良いでしょう。また、レンズ前面を覆うようになっているため、レンズ保護の役目も担っています。
【使い方を間違っていることがある】
フィルム時代からずっと一眼レフカメラに親しんできた年配の方で、フードを反対向きに装着したまま撮影している方を見かけることがあります。これは、収納・運搬時に長さを短くする意図で、反対向きに取り付けている、その状態のまま撮影をなさっている姿なのですが、これでは日よけとしてのフードの役目は果たせません。
ご本人は、数十年に渡ってカメラと付き合ってきているはずで、もちろんフードの役目も使い方も良くご存知です。撮影時には有害な光源・光線も無いので別にフードがなくても良いんだよ。ということで運搬時の状態そのまま撮影した。のだと思われます。「必要ないから付け替えなかっただけ。付け替えるの面倒だし...。」ということなのでしょう。
ところが、です。この姿を見て「ああ、フードってこんな向きで付けるんだね」と思ってしまう人も出てきます。これ、笑えない実際の話です。「どちら向きに付けるんですか?」「内側向きに付けて撮っている人を見たので、それが正解だと思ってました...。」というご質問を受けたことは一回二回ではありません。ある程度、写真に親しんできた方にとっては、これはごく当たり前のことですが、ケイタイカメラからコンパクトデジカメになり、そして初めて一眼レフを手にした人たちにとっては真剣な質問なのだ、とあらためて認識しました。
【それぞれに適合するものを使用するのが大前提】
このレンズフード。レンズに応じた大きさが決まっているため、どれに取り付けても良いわけではありません。間違ったサイズを装着すると画面の端に黒い影として写り込んだりしますので、適合するものを確認してから使用してください。直径や接合面の切り込みなどが異なるので、硬いものを無理にねじ込むのは間違いだと気づくはずです。
【ストロボ撮影時には取り外すのが基本】
また、カメラの頭部に装着されている内蔵ストロボを使用したい場合には、フードが前方で光を遮る可能性があります。広角側では下方への光が届かずに下のほうだけ暗い写真になるかもしれません。内蔵ストロボを使用する撮影の場合には、取り外す配慮も忘れないようにしたいものです。
いかがでしたか?フードなんて、そんな当たり前のもの...と、思われた方が多いと思います。ですが、この目立たないパーツ一つで結果に影響が出る、という意味ではおろそかにできません。装着の向きについても、当たり前のことですが再確認です。もちろんフードが無くても写真は撮れますし、斜めから差し込む強い光がない場合には装着の有無による差はないと思って良いと思われます。私は、レンズ保護の意味もあり光源の影響がないと考えられる場合でも基本的に装着しています。
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