高気密高断熱住宅は何故生まれたか?? - 住宅設計・構造設計 - 専門家プロファイル

宮原 謙治
霧島住宅株式会社 
工務店

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対象:住宅設計・構造

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高気密高断熱住宅は何故生まれたか??

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高気密高断熱住宅の功罪
■昭和50年(1975年)日本の高度経済成長にかげりの兆候が見え始めます。虚構ともいえる急成長を遂げた日本経済に綻び(ほころび)が見え始め、その脆さが暴露されだします。

■建設省の住宅建設第2期5ヵ年計画(昭和46年(1970年)〜50年(1975年)度は、「一人一室」を目指し、 950万戸(190万戸/年)を建設する計画でしたが、この目標は87%しか達成できませんでした。
 
 この間、第4次中東戦争により中東産油国が原油を減産したことで起きた混乱による第一次石油ショック(1973年10月〜74年8月)もありました。

■このように石油ショックにより、省エネルギー政策が進み、住宅においても熱を室外に逃がさない住宅として、高断熱化が主流になっていきました。
 この事は人間は新鮮な空気中の酸素を吸って生きているということを度外視した経済オンリーの政策でありました。

■昭和51年(1976年〜1980年))に始まる住宅建設第3時5ヵ年計画では、「10年後には各住宅に一人一室を保有するほか、1つの共同室を持つ」ことを目標に据えました。そして、最低水準以下の世帯の解消を目指し、昭和55年(1980年)までにそれを2分の1に減少させることとして、この期間に建設する目標戸数を860万戸(172万戸/年)としました。

 しかし、その先には、第二次石油ショック(1978年12月〜1982年4月)が待ち受けていたのでした。(続く)